
ロサンゼルス市議会は9日、学校や託児所から500フィート以内のホームレスの野営地を禁止する「条例41・18修正案」について協議を行った。議事進行開始後すぐに、公述人の1人が障壁を超えて議長に詰め寄るなどし、現場は一時騒然となった。協議はいったん中断されたがその後再開し条例の修正が承認された。
先週の協議で全会一致せず再投票となった今回は、冒頭から傍聴人が議員にやじや罵声を浴びせるなど緊迫状態にあり、傍聴人とのもみ合いによって数人の警官が負傷し、ホームレス擁護団体の活動家1人が逮捕された。
この修正案については、今回が3回目の投票で、11対3で承認された。賛成票を投じた市議にはケビン・デ・リオン氏らがいる。承認された修正条例は全ての公立・私立学校の500フィート以内の場所に人が座ったり、寝たり、横たわったり、物を置いたりすることを禁止するもの。条例「41・18」ではすでに高速道路、地下道、トンネル、橋、歩道橋、図書館、公園、一部数十校の学校近辺など、多くの公共の場が禁止対象となっているが、今回の修正案で全ての学校や託児所が追加された。条例公布にはロサンゼルスのエリック・ガーセッティ市長の署名が必要となる。
現在、ロサンゼルス市は急増するホームレスや点在する大規模野営地への対策を進めている。野営地条例の支持者は、特に薬物中毒や精神疾患を持つホームレスが子どもたちにとって健康と安全を脅かすと述べている。一方、ホームレスの擁護団体を含む反対派は、条例はホームレスによる犯罪を増加させると懸念している。
ロサンゼルス市議会は11日、ホームレス用仮設住宅を提供する「プロジェクト・ルームキー」に利用されている3つのホテルの営業を延長する計画を取り上げる予定。これらのホテルは合計で780室あるが今後数週間で閉鎖される予定となっている。同市はこれまで「プロジェクト・ルームキー」に2億4500万ドルを投入してきており、閉鎖期限を延長すると2830万ドルの費用がかかると予想されている。