福岡の母が来月、100歳になる。夏に家の中で転んで入院。退院直前に院内感染で新型コロナ患者となり、一時は家族も最悪を覚悟した。幸いコロナからは回復したものの、感染療養中の病床で筋力が大幅低下し、退院に向けて再度のリハビリ中だ。
日本の100歳以上の高齢者は今年9月1日で9万526人とか。それにしても、自分の親が100歳を迎える日が来るとは想像もしなかったことだ。地元の市役所からは、9月1日時点に存命で2022年内に100歳を迎える人には9月15日の老人の日に百歳の祝いを送りますとの通知が母宛にあり、市長・県知事・首相からの祝状が銀杯などと共に届いた。老人の日というのは初耳だったが、敬老の日が2003年からは9月の第3月曜日となったため、それまで敬老の日として慣れ親しまれた9月15日が老人の日として老人福祉への理解や関心を啓発する日に定められたのだという。
医師の話では誕生日前に退院できるだろうというので、11月末に百寿の祝いを計画している。母の子どもは3人、孫は、米国に3人、東京近辺に6人。来月の福岡での祝いが決まると、おばあちゃんの100歳のお祝いには、ぜひ家族ぐるみで参加したいと孫たちから次々と連絡が入り、孫、ひ孫もそろう大規模な集まりになりつつある。母にとっては、コロナ禍の間に生まれたひ孫たちとは初めての対面だ。厳しい水際対策の敷かれていた日本も今月からはそれが緩められ、米国の孫たちも参加できるようになった。皆、航空券を手配し、ホテルを手配しと準備が進みつつある。
とはいえ祝賀会は、実際に母が無事に退院でき、その日を元気に迎えることができるかどうかにかかっている。筋力だけでなく既に腎臓も心臓もかなり弱っている99歳の母は、日によっては体調の悪い日もあるらしい。コロナ禍で面会がまだ中止されたままなので、妹が看護師から母の様子を聞き、それをLINEで受けては私も一喜一憂する日々。いつ何が起きても不思議ではない。100歳に到達するというのはやはり大変なことなのだ。
無事に皆で祝えることを願いつつ、私たちは日本に向かう。(楠瀬明子)