長蛇の列を作って市民が開店を待ちわびる「ダイソー」ダウニー店のオープニング

 米国で千店を目指す日本の100円ショップ「ダイソー」が3日、南カリフォルニアで40店目となる新店をロサンゼルス郡南部のダウニーに開店した。人口11万人強のダウニーは市民の大半がヒスパニック系と白人。最近の国勢調査の結果でもアジア系市民は1割にも満たないが、日本生まれのダイソーのファンがアジア系に限らないことは、午前10時の開店を待つ長蛇の列が証明した。

テープカットするマネジャーのジェフさん(中央右)

 先頭に陣取っていたのは近隣のベルガーデン市から来たアレックスさん。母を伴い、店頭に並んだのは朝の7時半だったという。ダイソーのファンで「これまではモントレーパークのダイソーに行っていたが、フェイスブックで開店を知って飛んできた」と地元への出店を歓迎。開店時に配られるプレゼントも目当ての一つという。
 テープカットに続いてドアが開くと、待ちかねた客は続々と店内に入り、お気に入りの商品を買い物カゴに収めていく。店内には季節柄のクリスマス関連商品を始め、・低価格・高品質をうたう製品が並ぶ。主な商品は1ドル75セントの定価格だ。

 ダウニー在住のアンドレアさんとアビーさんは「ダイソーは小さくて可愛い物がたくさんあって楽しい」、友人同士で来店したタチアナさんとナタリーさんは「私はぬいぐるみ」「私は文房具」と、それぞれダイソーのお気に入り商品を挙げ、「これまでセリトス店まで行っていたが、ダウニーにできてうれしい」と喜んだ。スナック菓子を買い込むカップル、ペット用品が目当てという女性、もちろん子どもたちも店内に並ぶ多彩な商品に目を輝かせる。

クリスマス商品の並ぶ店内に続々と入るお客さん
新店大歓迎。買い物を終えて満足げなダイソーファン

 クリスマスショッピングの季節とも相まって、ユニークで楽しい店が近所にできたことを喜ぶ人たちの殺到に、マネジャーのジェフさんは「地元の人たちがこんなに歓迎してくれてうれしい」と、顔をほころばせた。
 広島県広島市に本社を置く大創産業(矢野靖二社長)の「ダイソー」は国内に4042店、海外ではアジアを中心に2296店舗(2022年2月末現在、同社HPより)。海外1号店は01年の台湾で、米国には05年に上陸。ダウニー店は全米で88番目、州内で58番目、南カリフォルニアで40番目の店舗である。

 ワンプライスで品物を販売するバラエティーショップは他にもあるが、同店マーケティング担当のスージー・ウォン=スペイザーさんは「プライスポイントは同じでも、暮らしを便利にするグッズや、ユニークな品物がある」と話し、「ダイソーには誰もが喜ぶ何かがある」とアピールする。
 今後はネバダ州のヘンダーソンに今月中旬に新店がオープンするほか、アリゾナ州での初店舗も準備が進んでおり、来年には少なくとも20〜25の新店を開く予定という。
 ダイソーは11月に、積極的な店舗展開で将来的には米国で千店を目指すと発表したばかり。記録的なインフレで消費者の節約志向が高まる中、波に乗ってますます数を増しそうだ。(長井智子、写真も)

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