

日系スーパーとして米国で最も多くの店舗を展開するミツワ・マーケットプレイスの第12号店がノースリッジに21日、開店し、グランドオープンのセレモニーを催した。和太鼓演奏や鏡開きを行い、来賓が祝辞を述べ、バレー地域初という日本食スーパーマーケットの誕生を盛大に祝った。
セレモニーでは、同店のあるロサンゼルス第12区選出のジョン・リー市議や、在ロサンゼルス日本総領事館の曽根健孝総領事が祝辞を述べ、新店の前途を祝した。浅野太鼓が力強い演奏を披露し、来賓らによる鏡開きでグランドオープンのムードを高めた。食品メーカーやベンダーなど取引先から贈られた多くの花輪が店舗前を飾った。開店を待ちわびて出来た長い行列が、地域の歓迎と期待の高さを物語った。
ミツワ社の親会社であるカメイ株式会社(宮城県仙台市)から来米した取締役相談役の亀井淳一氏があいさつに立った。同社は、砂糖、小麦などを扱う雑貨商として1903年に創業し、本年120周年を迎え、事業を広げて「食・住・エネルギーを事業の3本柱としている」と説明した。1974年4月、トーレンス市内にエクソンのガソリンスタンドを開業したのが米国進出の始めで、2012年にミツワ社を傘下に収めたという。

亀井氏自身、35年前の留学時代にミツワの前身だったヤオハンが「米国生活のライフラインだった」と振り返り、日系食品スーパーの意義を強調した。ノースリッジ店は、トーレンス・デルアモ店、サンタモニカ店、サンゲーブル店に続くロサンゼルス地区で4軒目の店舗。近隣のオレンジ郡にはアーバイン店とコスタメサ店があり、全米では12番目の店舗となることを紹介した。
ミツワの伊妻健之社長兼CEOは同社が待望したバレー地域への出店について「本日、われわれが長年夢見てきたことをかなえることができた。この広大なサンファナンドバレー地区で、日系スーパーマーケットの出店は初めてとなるため、実現できたことを心からうれしく思っている」と喜んだ。
他のミツワ店と同様に地域密着の経営方針を守り「これからこの地でしっかりと根を生やし、末長く住民の皆さんに愛される店にしたい。新たなお客さんとの出会いを通じて日本食と日本文化の素晴らしさを真摯(し)な姿勢で表現し、お客さんにまっ直ぐに伝わるよう懸命に努力を続けたい。日本食と日本文化を通じた『心のオアシス』作りを今後も皆さんと一緒に進めていければこの上ない喜びである」と抱負を述べた。

山口淑子さんは1972年から51年間、ノースリッジで暮らしている。車で10分弱の場所にミツワが出店すると聞き、「開店が待ち切れなかった」と話す。開店初日から2日続けて孫のケリーさんと訪れ、すしやおかきに加え、プリンなど2人の好物の日本のスイーツを買い求めた。これまでは日本食の買い出しに小東京まで行く必要があったが、「近くにミツワができてとても便利なった。日本のいろいろな物を売っているので、もう遠くまで運転して買い物に行く必要がなくなり、うれしい」と喜んだ。
ミツワ・ノースリッジ店
8990 Tampa Ave, Northridge, CA 91324
営業時間は、午前9時から午後9時まで。
詳細は同社ウェブサイト—
https://mitsuwa.com/
