NASA(米航空宇宙局)は3日、国際月探査「アルテミス計画」第2弾ミッションに参加する宇宙飛行士4人を発表した。うち1人は南カリフォルニア出身のビクター・グローバーさんで、有色人種として初めて月探査計画の飛行士に選ばれた。ロサンゼルス・タイムズが報じた。

同ミッションは昨年11月〜12月に行われた無人宇宙船の月周回軌道投入に成功した「アルテミス計画」第1弾ミッションに続く初の有人飛行で、NASAによると4人の宇宙飛行士は音速の30倍の速さで往復60万マイルを移動しながら月を一周する。往復10日ほどの旅となる予定だという。
グローバーさんはポモナで生まれ、1994年にオンタリオ高校を卒業し、99年にカリフォルニア州立工科大学サン・ルイス・オビスポ校で学士号を取得した。その後、海軍パイロットを経て2015年に宇宙飛行士になった。「アルテミス計画」は、グローバーさんにとって2度目の宇宙飛行となる。
乗組員には、船長のリード・ワイズマンさんの他、女性初のクリスティーナ・ハンモック・コックさんと、このミッションでNASAと提携しているカナダ宇宙庁の職員で米国人以外で初となるジェレミー・ハンセンさんがいる。
「アルテミス計画」は早ければ25年に月面再着陸に挑戦する。同計画には日本も参加しており、月上空に建設する宇宙ステーションの滞在や物資輸送などを予定している。これまで月面に着陸した飛行士は全て米国人の白人男性だったが、今後発表される月面着陸の人選にも多様性が期待される。