ガーデナの日系スーパーマーケット「トーキョー・セントラル」で販売されている日本の焼酎

 カリフォルニア州はこのほど、日本の焼酎を正式に認め、ワイン販売免許を持つレストランが焼酎を販売できるようにする法改正案を採択した。これまでのカリフォルニア州法とアルコール飲料管理局の規制では、ワイン販売免許を持つ州内のレストランで日本の焼酎を販売できるのは、韓国の伝統的な蒸留酒である「Sоju(ソジュ)」と表示されている場合に限られていた。

 アルコール飲料規制に関する法律の改正案「AB416」の筆頭提出者であるアル・ムラツチ下院議員(民主党・トーレンス市選出)は「日本の焼酎の文化的重要性はいくら強調してもし過ぎることはない」とし、「焼酎は500年以上の歴史を持つ重要な文化的産物で、日本酒をしのぎ日本で最も飲まれているアルコール飲料だ。新法は日本の焼酎と韓国のソジュの両方の伝統を認めている。焼酎をソジュと表示して販売することはテキーラをスコッチやバーボンとして販売するようなものだ。日本の焼酎を公認することでカリフォルニア州はこの重要な文化遺産の振興において米国をリードすることができる」と述べた。

 新法は、日本酒造組合中央会(JSS)、米国日系レストラン協会、タカラ・サケUSA、ミューチュアル・トレーディング社(MTC)、JFCインターナショナル、その他多くの日本の輸出入企業やレストラン関係者が支持していた。  MTCの金井敦子副社長は、この改正が消費者の混乱を解消すると歓迎した。金井さんは「酒類業界や酒類販売業、そして消費者の間で、この二つの全く異なる商品を定義し独自に分類するために明確な区別が必要だった」と語った。

  「AB416」は、日本の焼酎メーカーが自社の製品に「焼酎」と適切に表示することを認めるもの。適切な表示によって日本の焼酎と韓国のソジュの間に起こり得る市場の混同が解消される。さらにこの法律は二つの蒸留酒の独特で重要な文化的な違いを認めており、改正案で日本の焼酎のアイデンティティーの危機にようやく終止符が打たれることになる。

 金井さんによると、これまではボトルのラベルに日本語で「焼酎」、英語で「Sоju」と書かれており、これがレストラン関係者や消費者の間で大きな混乱の原因となっていたという。また、「ソジュ」は2010年にポモナのフェアプレックスで開催された「ロサンゼルス・インターナショナル・ワイン&スピリッツ・コンペティション」において、唯一の「アジアの蒸留酒」カテゴリーであり、「その中で『焼酎』と『ソジュ』が並んで競り合った」と過去の問題を説明した。「数年後、MTCの日本酒スペシャリスト部門のディレクターである上野俊男さんが、コンテストを実際に沿って、正当に二つのカテゴリーに分ける変更を提案した。その後、主要な国際的な蒸留酒コンテストでは『焼酎部門』が独立して設けられるようになった」

 日本酒、本格焼酎、泡盛、本みりんなど約1700製品の生産者を代表する団体としてロビー活動を行ったJSSは、法案に署名したムラツチ議員やミゲル・サンティアゴ議員、そしてカリフォルニアのギャビン・ニューサム知事に感謝を示している。

 JSSの理事を務める宇都宮仁さんは「焼酎は米国内において長い歴史があり、その伝統を私たちのブランドで継承できること、そしてバーやレストランのオーナーが日本の焼酎を正式名称で販売・提供できるようになったことを喜ばしく思う」と述べた。

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