裏千家淡交会LA協会の光林宗満社中の実演。亭主・若山宗真さん、半東・金剛宗章さん、正客・福島和子さん、次客・臼井宗真さん、解説・メリー・デミングさん

 第83回二世週祭では9、10日と16、17日の両週末、日米文化会館(JACCC)で恒例の日本文化の展示・実演が行われた。幅広い分野の団体から指導者や生後が参加。訪れた人々に日本文化の多彩さと奥深さを伝えた。

裏千家淡交会LA協会の茶道の実演の来場者には薄茶とお菓子「朝霧」が振る舞われた

 茶室があるホールでは1週目、裏千家淡交会ロサンゼルス協会が実演と呈茶を行った。2日間で14社中が1席ずつ茶席を設けた、全14回がほぼ満員となり、ゲストは薄茶とお菓子「朝霧」を楽しんだ。
 同協会は35人の師範がロサンゼルス地区を中心に教室を持ち、英語での指導にも力を注いでいる。幹事長の阿部宗真師は「二世週祭には日系以外の来場者が多い。裏千家の茶道に関心を持ってもらえる素晴らしい機会となった」と喜んだ。抹茶の世界的な人気の高まりに伴う茶道への注目については、「茶道がより一層知られるようになり光栄に思う。世界へと広まりを見せていて、喜ばしい」と語った。二世週祭の2日間を振り返り、「ホストとお客が尊敬し合う礼儀、作法に加え、茶わんなどの道具、掛け軸、一輪ざしなど芸術性、そして禅、『和敬清寂』など、茶道の精神性も伝えることができた」と話した。

いけばな教授会の展示で、各流派の特徴を生かした作品を観賞する人々

 いけばな教授会は3流派合同で展示を催した。池坊13人、小原流6人、草月流13人の教授者が出品した。それぞれの流派の特長を生かして、古典からモダンまで、精魂込めて生けられた作品が並んだ。同会は毎年、二世週祭で展示会を催しており、今年も季節の花材を駆使した作品が会場を彩った。夏の旬の花材として、ルシアントス、青紅葉、青イチョウ、青と緑色のあじさい、キキョウ、そしてアフリカ原産の珍しいバンクシアも存在感を示した。
 流派により花器や花材、テクニックは異なるが、ベテラン教授陣の作品はどれも目を見張るものばかりで見る者を圧倒。来場者はじっくりと見て回り、作品の写真を撮ったり作品と一緒に撮影する姿が多く見られた。生け花を学ぶ多くの生徒も勉強に訪れ、師匠や流派の異なる作品から刺激を受け、収穫を得た様子だった。
 武市玉春会長(草月流)は、展示について「生けた作品を皆さんに見てもらうことが、われわれにとって一番うれしいこと。大勢の人々に絶え間なく来てもらえた」と話した。流派を超えた活動については「生け花をを広めるという目的は共通しているので、今後も日本の伝統文化を3流派が力を合わせて紹介していきたい」と語った。
 いけばな教授会は、1月の新年親睦会と5月の仏教会の花祭りでの展示、8月の二世週祭の展示を主な活動とする他、日本総領事館やジャパン・ハウス、その他日系団体からの依頼による大きなイベントには、3流派が交代で作品を展示している。

米国書道研究会の実演と展示で、毛筆を体験する参加者

 米国書道研究会は展示とデモンストレーション、書道体験を行った。力強い筆致と流麗な筆運びの作品が並び、書を通じた精神世界の表現を示した。毎年人気の高い書道体験のコーナーでは来場者が筆を持ち、同会会員の指導を受けながら日本語の文字を半紙にしたためた。同会は創立60周年と創立者の故・生田観周師生誕100年を祝う記念書展のための準備を進めている。書展はJACCCで、9月2〜14日に開催される。
 階上の展示室では日本の伝統工芸である木目込み人形の二つの制作グループが展示を行った。

木目込み人形の弘文会の生徒が制作した十二支の作品

 1週目は弘文会。15人の生徒はシニアが大半を占め、日本人、日系人、米国人、中国人、メキシコ人、インドネシア人などさまざま。指導する会長の松本久子さんは「皆が頑張って日本の伝統文化を紹介している」とほめる。今回は8人が1人3〜5点、計約40点を出品した。そのほぼ全てが二世週祭に向けて制作した新作だという。十二支の動物や浦島太郎、みこしと担ぎ手の祭り、鼓の舞、五月人形、ひし餅を飾った雛人形、日本刀、黒田節、新郎新婦、桃太郎の鬼退治、いづめこなど、日本の文化を表す作品が並んだ。
 「人形を購入したい」と来場者から請われても、生徒は何十時間もかけて制作した作品は愛着があり、手放す気はないという。自宅に飾る他、誕生日や結婚式、クリスマスなどのプレゼントに贈ると喜ばれることが、生徒の創作意欲をよりかき立てている。弘文会はモントレーパークとカルバーシティーで月2回、教室を開催しており、生徒を募集している。

見事な盆栽の展示に多くの人が集まるジョン・Y・ナカ記念盆栽展

 2週目のゆかり会の金坂ケンさんは、来場者が多く盛況だったと話し、体験には日本人や日系人以外の参加者も多く、日本文化に興味を持つ人の背景が多様化していること、若い世代の参加が増えていると感じたことを挙げ、改めて文化継承の意義を訴えた。
 小阪センターでは1週目に日系陶芸家ギルドに参加する日系人作家らによる「折り紙」をテーマにした陶芸作品展、2週目は日本から参加した白磁陶芸作家の高木健多さんの作品が展示された。白い磁器を豆腐にみたて物質のエネルギーを表現した高木さんの作品は、見かけは豆腐ながら手に持つとズシリと重く、参加者はその意外な発想に目を丸くした。また、盆栽展や日本の刀剣展にも多くの人々が訪れた。(永田潤、長井智子)

米国書道研究会の実演で披露した「陽光眩」の五体書。左から篆書(てんしょ)、隷書(れいしょ)、楷書(かいしょ)、行書(ぎょうしょ)、草書(そうしょ)。左端は実演の説明を行った理事長のランディー・ヤマモトさん

いけばな教授会3流派の教授者たち。前列右から4人目が武市会長
木目込み人形「ゆかり会」の制作体験に夢中の参加者

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