日本で衆議院が突然解散され、2月に行われた衆議院議員の在外選挙では慌ただしく準備と告知がされたものの、投票できた期間はわずか5日間でした。海外の投票所では、誰がどんな公約を発信しているのか、情報も少ない内に投票が締め切られてしまいました。
 在外選挙には在外公館投票と、郵便投票と、日本での投票の三つの方法が用意されています。しかしながら、在外公館から遠方に住む住民にとっては、往復のガソリン代や飛行機代や宿泊費など、1票を投じるためのコストが多くかかります。海外での投票場所を増やすための取り組みは議論されておらず、投票期間も短いので、大きな壁となっています。世界での郵便事情は日本国内とは違っており、郵便投票をしても、もれなく一定の無効票が発生してしまっているという現実があります。
 こうして考えると、海外在住の国民には選挙権という権利が与えられているにも関わらず、権利を行使するためには多大な苦労を伴うのです。それでも、日本をなんとかしたいという人は犠牲を払って投票所に行きました。在ロサンゼルス総領事館によりますと、今回の衆議院選挙において728人の方が当地で投票を行ったそうです。これは昨年の参議院選挙の投票数より、17%増えたという結果であったことは、総領事館からの告知だけでなく多くのメディアやネットでの情報で、選挙があることが広まったからだと思います。
 日本ではSNSなどで、「ママ、戦争止めてくるわ」というメッセージが、投票行動として象徴的に使われました。将来、自分の子どもたちが血を流さない平和な国であってほしいという気持ちを、静かな決意として伝えるために生まれた言葉でした。一般の主婦のつぶやきに同じ思いを持つ人々の共感を呼び、「パパも戦争を止めてくる」といったように次々と投票に行ったことがつぶやかれました。紛争や戦争が終わらない世界で、ミサイルや核兵器が平和を維持するとは思えません。戦争を止めることができるのは、私たちの1票であることを忘れてはいけません。(アサクラユウマ)

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