

日系の信用組合「ニッケイ・クレジット・ユニオン」はこのほど、ガーデナの本店で創立75周年と本店リニューアルオープンを記念する式典を開いた。会員や地域関係者、行政関係者らが出席し、改装したオフィスの内覧会を行うと同時に、式典では戦後の日系コミュニティーを支えてきた歩みを振り返り、次世代への継承とさらなる発展を誓った。
同組合は1951年、「ガーデナ平原ジャパニーズ・クレジット・ユニオン」として発足した。戦後間もない当時、多くの日系人は一般金融機関から十分な融資を受けることが難しく、地域住民が資金を持ち寄り、互いに助け合う相互扶助の精神の下で設立された。関係者によると、当時のロサンゼルス地域には同様の日系信用組合が約20存在していたという。

式典では創設者家族の代表や歴代理事らが紹介され、組合の発展を支えてきた先人たちに感謝が示された。ゲーリー・ナカタ理事長は「創設者たちの勇気と先見性によって築かれた基盤の上に、私たちは成長してきた。これからも会員と地域社会に価値あるサービスを提供していきたい」とあいさつした。
来賓として出席したカリフォルニア州議会のアル・ムラツチ議員は、創立当時の歴史に触れ、「強制収容所から戻ったコミュニティーが家族や中小企業を支えるために力を合わせて築いた組織が、75年を経て今なお発展を続けていることは大きな意義がある」と述べた。
また、トーレンスのジョージ・チェン市長をはじめ、ガーデナ市やカーソン市、州議会関係者らから表彰状が贈られ、長年にわたる地域貢献がたたえられた。
式典では日本の伝統行事である鏡開きも行われた。創設者家族の代表や役員らが木づちを振るい、繁栄や調和、幸運への願いを込めて節目を祝福。太鼓演奏や獅子舞も披露され、祝賀ムードを盛り上げた。
長年組合に関わる関係者は、日系コミュニティーの将来について「異なる文化や背景を尊重しながら、お互いの良い部分を取り入れていくことが大切」と語った。また、「若い世代の中には自らのルーツを見つめ直そうとする動きも見られる。そこに日系社会の未来への希望を感じる」と期待を寄せた。
同組合は現在、ガーデナ本店のほかカーソン支店などを展開。戦後の日系人が築いた相互扶助の精神を受け継ぎながら、地域に根差した金融機関として次の75年に向けて歩みを進めている。(長井智子、写真も)

