
小東京の青森県人会館でこのほど、「南加青森県人会」と「南加ねぶた囃子(ばやし)保存会」による合同新年会が開かれた。会員による音楽演奏や書道の企画が披露され、参加者は親睦を深めるとともに、今夏ロサンゼルスでのねぶた運行20周年という節目に向けて結束を新たにした。

新年会はねぶた囃子保存会の豊島年昭会長の乾杯で幕を開け、「今年も健康で楽しく過ごせるように」との願いが共有された。
青森県人会は南カリフォルニアでも独自の会館を有する数少ない県人会の一つ。会館の壁には会員の名前を記した木札が掲げられ、2台の「ねぶた」(青森県のねぶた祭りでも使用される和紙と針金で作られた山車)も保管されている。ねぶたはこれまで、夏の二世週祭パレードなどで日本の祭り文化紹介に活躍してきたが、今年は特にねぶたが初めてロサンゼルスに登場してから20周年を迎えることから、豊島会長は二世週祭での特別な展開が検討されていることを紹介した。

青森側からは約20人の来米が予定され、ねぶたは2台とも出陣する計画。新作は制作せず、その代わり囃子の強化を図る方針という。今年の二世週祭パレードは通常よりも1週間遅い8月15日に予定されており、郷里青森の「ねぶた祭り」(8月第1週)と日程がかぶることは回避できる見込みだ。
地元ロサンゼルスから参加する囃子やハネトの数も充実させたいとし、パレードを成功に導くことを鼓舞した。
青森県人会の木村昭会長は、ねぶた囃子保存会との連携の中で県人会が窓口的な役割を担っていると説明。会員数の増加は容易ではないものの、「出身者がいる限り続いていく」と活動の継続に意欲を示し、「毎年こうして元気な顔で集まれることがありがたい」と述べた。

会員は和食の弁当と海鮮丼を味わいながら、ジャズ演奏、三味線演奏、フラダンスなど会員による多彩な出し物を楽しんだ。ねぶた囃子の主役である笛と太鼓の演奏では、会場は熱気に包まれた。
また、初心者向けに水道管で作った笛を10ドルで提供する試みも紹介され、実際に音を出して披露するなどした。音を出すのが難しいとされる横笛だが、ズームによる「超初心者向け笛ワークショップ」の開催も案内され、参加のハードルを下げる工夫が共有された。
書道家の芳田訓晴さんは、青森出身ではないものの祭りへの強い思いから参加していると語り、「祭りが好きで、毎年日本に帰るのが楽しみ」と自身の思いを述べた。ロサンゼルスでは書道を指導し、年明けには修練を兼ねて400~500枚の作品を書くという。その一環として制作した「漢字おみくじ」を全員に配布すると、参加者が引いた漢字をめぐり、読み方や意味について語り合うなど、自然な交流が生まれた。

最後は全員でねぶた囃子の演奏に参加し、「ラッセラー、ラッセラー」の掛け声で盛り上がった。20周年という節目を迎えるロサンゼルスのねぶたは、青森県人の郷土愛によって受け継がれ、広がり続けている。
「ねぶた囃子を聞くと血が騒ぐ」と話すのは昨年会員になったばかりの中津晴子さん。青森出身で、それまでは米国の他地域に住んでいたが、南カリフォルニアに転居してきて「ねぶた」があることを知り、会への参加は考えるまでもなかったという。
20周年という節目を迎えるロサンゼルスのねぶたは、青森県人の郷土愛によって受け継がれ、広がり続けている。青森県人会の新年会は郷土がつなぐ結束を確かめる場であると同時に、新たな参加者を迎え入れる開かれた入り口でもあった。夏の本番に向け、期待が高まっている。
誰でも参加できるねぶたに

ねぶた囃子の練習は同会館で毎月第1土曜日と第3日曜日の午後1時から3時まで行われており、8月の二世週祭パレード本番に向けた準備が始まっている。参加条件は特に設けられておらず、「やる気があれば誰でも歓迎」「まずは触れてみてほしい」と強調された。
太鼓、笛、かねの楽器以外に、ハネトとして参加の道も。ハネトは踊りではなく跳ねる動きが特徴で、体力を要するが、観客ではなくパレードの担い手として関われる点が魅力だ。
ねぶた囃子への参加は青森出身者に限らず、誰でも参加できる開かれた活動であることも改めて示された。祭り囃子に感情が呼び起こされるのは、広く日本人に共通の感覚である。この夏のねぶたを一緒に楽しむのはどうか。関係者は「ぜひ一度練習に参加してほしい」と呼びかけている。連絡はメール―
aomori.calif@gmail.com (長井智子、写真も)

