西元会長(中央)から感謝状を贈呈される中間さん(右)と、西さん(左)
西元会長(中央)から感謝状を贈呈される中間さん(右)と、西さん(左)
鹿児島ファンデーションを通じ、鹿児島に2週間の短期研修に参加したバレンズエイラさん(右)と西さん
鹿児島ファンデーションを通じ、鹿児島に2週間の短期研修に参加したバレンズエイラさん(右)と西さん

創立1899年と、南カリフォルニアで活動する県人会の中でもっとも古い歴史を誇る南加鹿児島県人会(西元美代子会長)は3日、創立115周年を記念したサマーピクニックをブエナパークの公園で催した。今年は、長年ピクニックを催していた同市ジョージべリス公園からボイセランク公園に場所を移しての開催となった。
会場には、会員家族をはじめ、近隣の県人会や日系諸団体から代表者ら約160人が参加。鹿児島県人会特有の特設ステージでは、過去2回にわたり婦人会長を務めた西敬子さん、13年間にわたり会計を務めた中間二三夫さん、また昨年、日本政府から「旭日双光章」を受章した中村達司さんの3人に、西元会長から感謝状が贈られた。
また、今年7月に鹿児島ファンデーションを通じ、鹿児島に2週間の短期研修に参加した会員子弟の2人が研修を報告。「故郷」鹿児島で自身のルーツ探しの機会を提供してくれた同基金、および県人会に感謝の言葉を述べた。
研修に参加したのは、3世のクリストファー・ケン・バレンズエイラさん(19)とクレイ・西(15)さん。2人はホームステイをしながら鹿児島の歴史や文化を学び、郷土料理や日本での生活を堪能。いちき串木野市の市長との会談も果たし、充実した2週間を振り返った。
バレンズエイラさんは、「ゴミが散乱するロサンゼルスと違い、鹿児島はとてもきれいだった」といい、もっとも印象に残っていることとして、薩摩藩英国留学生記念館を訪れたことを挙げた。鎖国中に英国に渡りさまざまな技術を学び、後の日本の繁栄に大きく貢献した19人の学生に感銘を受けたという。中でも、13歳という若さで英国に渡り、のちにカリフォルニアにおける鹿児島県人のルーツとなり、「ワイン王」と称された長沢鼎(かなえ)さんらの人生に心を打たれたと話した。
西さんは、今まで会ったことのなかった親族と初対面できたことが感激だったと振り返り、日系人として自身のルーツを探る貴重な体験に感謝した。また、複数の家庭でホームステイをした中で、日本のおもてなしの心に感動したという。

同県人会ピクニックの目玉、「新撰組グループ」によるバーベキュー
同県人会ピクニックの目玉、「新撰組グループ」によるバーベキュー

06年にNPOの認可を受けた鹿児島ファンデーションは、毎年優秀学生に奨学金を授与。12年からは鹿児島短期研修を行い、未来のリーダー育成に力を入れている。
ピクニック特設ステージでは、松豊会と豊渕会の民謡や民踊、LA歌謡クラブや会員らによるカラオケ、また同県人会恒例となったかるかんコーラスによるコーラスを楽しみながら、南加で12店舗を経営する「新撰組グループ」によるバーベキューを堪能した。
食後には、子どもから大人までが一緒に楽しめるミニ運動会で盛り上がった。最後に行われた男女対抗綱引きでは、2回戦とも女性チームが圧勝。普段は九州男児をたてているおしとやかな女性も、この時とばかりに力を出し切り見事勝利。最後は、婦人会と青壮年部による福引きで幕を下ろした。
南加にある県人会の先陣を切って、今年3月に創立115周年記念式典を盛大に行った同会。就任3年目を迎えた初の女性会長、西元さんは、式典が無事に終わったことを喜ぶとともに、新年会までに新会長の選出を予定している。「長く歴史のある会だからこそ、その灯火を消してはならない」として、時代の流れに沿いながらも、伝統と歴史を重視し、会を継承してくれる人材探しに力を入れてい行く予定という。
【中村良子、写真も】

皆で力を合わせて勝利した綱引き大会の女性チーム
皆で力を合わせて勝利した綱引き大会の女性チーム

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