王(右)、アーロンの日米のホームランキング
 王貞治氏、ハンク・アーロン氏の日米のホームラン王が提唱し、スタートした「WCBF=World Children’s Baseball Fair(世界少年野球大会)」の20周年記念報告会と表彰昼餐会が21日、リビエラ・カントリークラブ(パシフィックパリセーズ)で開かれる。ともに大会会長を務める両氏が出席し、両氏の大会を発展させた功績を称え大リーグ機構と国際野球連盟(IBAF、本部スイス・ロザーヌ)が表彰。トミー・ラソーダ氏など、米殿堂入りした往年の名選手、大監督らが祝福する。王、アーロンの両雄が顔を揃える貴重な機会で、一般参加ができるため野球ファンにとっては、またとないチャンスを逃すわけにはいかない。
 WCBFは「正しい野球を全世界に普及、発展させると同時に、世界の少年少女たちに友情と信頼の輪を広げる」ことを目的とする。王、アーロンの両氏は「野球を通して世界の子どもたちがふれ合い、立派な世界市民になってもらいたい」と願いを込める。
王氏(前列中央)から指導を受ける世界の子どもたち
 昨年まで88の国と地域から、合わせて延べ4500人が参加。「Catch Your Dream」のキャッチフレーズの下、11歳と12歳の少年少女が参加し、野球を通して国際交流を図り、世界平和につなげている。
 第1回大会を発祥国のロサンゼルスで開催し、昨年の台湾大会まで21回、毎年、開催国を変えて世界各国で開かれている。世界大会を開くリトル・リーグなどがエリート選手を養成するのとは違い、WCBFは野球のみならず、その国、土地の文化、風習も学ぶことが最大の特徴だ。
 国籍、人種、民族、言語が違う子どもたち。10カ国以上の言語が飛び交い、コミュニケーションが難しいと思われがちだが、そこは柔軟性のある子どもたち。野球という共通のテーマで心を通い合わせ、すぐに打ち解ける。
 毎年夏、約200人が参加する1週間のプログラムは、午前中にクリニックを受け、午後は地元の子どもたちとの交流行事に参加する。日本では、夏祭りや盆踊りに出たり、花火を見たり、餅つきを体験したりし異文化を吸収。ホームシックになった子どもも含め皆、最終日には「帰りたくない」と涙を流し、仲間との別れを惜しむという。
 WCBF理事長の王氏は、次のように述べている。
 「ある時、私の友人であるアメリカ野球界のスーパースター、ハンク・アーロンさんと野球の話になり『われわれが体験した野球の素晴らしさを次代を担う子どもたちにも伝えていこう』と、世界少年野球大会を始めました。最初は、世界中の子供たちを集めて野球クリニックをやろうというくらいの軽い気持ちで始めたのですが、いざ、始めてみるとこれがたいへんな大事業になっ てしまいました。今後、いっそう内容の充実した大会にし、世界中の子供たちから喜ばれる素晴らしいものにしたいと考えています」
 昼餐会はWCBFの創設者の1人の阿岸明子氏が主催し、司会はロブ・フクザキ氏(KABCのスポーツアンカー)が務める。
 会費は300ドル(非営利団体は半額)。電話:323・969・9410。
wcbfna@aol.com
www.wcbf.org
▽表彰式の日時と会場は次の通り
1月21日(土)正午〜2時
Riviera Country Club
1250 Capri Dr., Pacific Palisades, CA 90272
ハンク・アーロン氏から直々に打撃指導を受ける少年たち。左は王貞治氏

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