カリフォルニア州サクラメントの州議会で5日、カリフォルニア大学(UC)、カリフォルニア州立大学(CSU)、コミュニティーカレッジの学生らおよそ数千人が集まり、高等教育への予算削減や学費の引き上げに対する抗議デモを実施。州議会の建物内を占拠し、72人が逮捕された。
デモ隊は「われわれの未来に資金を」と訴え、なかにはバークレーから州都サクラメントまで5日間かけて行進して来た人たちもいた。
UCバークレー校に通うラーク・オオムラさんは「学費が上がり経済的に苦しい中、奨学金をもらいたくてももらえない状況に陥っている」と学生たちが直面している厳しい現状を指摘。
デモ隊はさらに、提案されている予算削減と学費の引き上げ案は、財政赤字を解消するための最善策ではないとし、「学費の引き上げを止めることがわれわれの望みだ」と訴える。
また加州のブラウン知事が提案している州政府の奨学金制度「Cal Grant」の申請基準を引き上げる案についても、奨学金の受給がさらに困難になるとして反対している。
「学費が上がる一方で授業数は減らされ、納得がいかない」とCSUロングビーチ校に通うサラ・バグツさんは怒りをあらわにする。
デモ隊は州議会に対し、教育予算の削減を実施するかわりに、大学の理事や事務職員の給与を減らし、富裕層への増税を実施すべきだとも主張。
加州民主党は、困窮する州財政の立て直しを図るため増税案を打ち出していたが、共和党からの賛成が得られず、教育予算の削減に踏み切らざるを得なくなった。ダレル・スタインバーグ加州上院議長(民主・サクラメント)も「高等教育への予算削減は苦渋の策」であるとしている。
学生による抗議デモは、先週1日にも加州の州立大学30校で一斉に行われたばかり。