
日本民謡と民舞の継承に取り組む松豊会は17日、第61回おさらい会を開催する。半世紀以上にわたり活動を続ける同会では、今年、新たに5人が名取となり、伝統芸能の担い手として新たな一歩を踏み出す。
おさらい会は、正午から午後3時まで、ガーデナのケン・ナカオカ・コミュニティーセンター(1670 W 162nd St, )で開かれる。午前11時半開場。入場料は25ドルで、弁当と飲み物が含まれる。
同会は1966年、大阪出身の佐藤松豊師により設立され、日本民謡の普及と継承に尽力してきた。教育活動や地域公演を通じて、世代を超えた文化の継承とコミュニティーの結びつきを育んできた団体である。
当日は、特別ゲストとして日本舞踊の坂東秀十美師と坂東拡三也師が舞踊を披露する。また、名取の佐藤松豊香奈さんが同会12人目の新師範となる。さらに、異なる背景を持ちながらも日本の伝統芸能に魅せられ入門し、研鑽を重ねてきた5人の新名取が紹介される。松豊会では、伝統芸能を単なる保存にとどめず、現代の生活の中で生きる文化として伝えていくことを重視している。今回の新名取誕生は、その継承の流れを象徴する出来事でもある。それぞれが今後の民謡・舞踊界を担う存在として期待される。
公演の詳細は同会のウェブサイト―
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▽新名取5人の経歴は次の通り。

佐藤松豊力天(まつとよ・りきてん、本名・小堀涼子) 5歳からピアノを始め、作曲を学びバークリー音楽大学へ進学。ロサンゼルスのスタジオで音響エンジニアとして経験を積み、ヒップホップやレコーディングの現場で活動。2007年からアーティストとして作品発表やイベント主催を行う。コロンビアでの体験を機に民謡に関心を深め、日本の伝統と現代音楽の融合を志向。松豊会に入り、特に歌に力を入れて民謡の探究を深めている。

佐藤松豊珠禾(まつとよ・しゅか、本名・陳エミリー) テネシー州生まれの日系2世。シカゴとロサンゼルスで育つ。アジア文化を学ぶ中で民謡の魅力に出会う。補習校勤務を経て育児に専念後、長女の関心をきっかけに松豊会へ親子で入門。三味線を学び5年、舞台にも出演し、世代をつなぐ伝統芸能の継承に取り組む。生前ラジオ番組で浪曲をうたっていたといわれる祖父も含め、世代を超えて日本伝統芸能との深い縁を感じている。

佐藤松豊梅千代(まつとよう・めちよ、本名・西尾砂由美) 大阪府豊中市生まれ、埼玉県新座市育ち。4歳から16歳までクラシックピアノを学び、十代で茶道(裏千家)、華道(小原流)の免状を取得。歌舞伎に傾倒し、演歌歌手を志した時期もある。1984年に単身渡米し、2004年に米国公認会計士(CPA)資格を取得。子育てと仕事に専念し芸事を離れたが、小東京の年賀イベントで松豊会の舞台に触れ、22年に入門。現在は坂東秀十美師のもとで坂東流日本舞踊の研鑽も積む。

佐藤松豊菊ちよ(まつとよ・きくちよ、本名・今井るう) 音楽教師の祖母の影響で3歳からピアノを始め、その後合唱に進み、中高声楽科を首席卒業。その後ジャズやパンクなど幅広い音楽を経験し、国内外でバンド活動を展開した。2011年に渡米。音楽活動を続ける中、演歌を通じ民謡に関心を持ち24年松豊会入門。唄・三味線を学ぶと同時に、同会の舞踊部門では民謡舞踊の指導に携わる。大好きな日本の古典伝統文化の継承に携わっていくことに心を膨らませている。

佐藤松豊鼓由(まつとよ・こゆう、本名・戸所美由紀) 東京都立川市出身。幼少よりエレクトーンやピアノに親しみ、クラリネットも経験。渡米後はアサノ太鼓USAやLA三宅会で和太鼓を学び、演奏活動を重ねる。組太鼓に魅せられ、表現の幅を求めて三味線と民謡を学び始めた。2022年に松豊会に入門。曲の背景や文化に触れ、その奥深さを実感。太鼓経験も生かし研鑽を重ね、名取を節目に日本の伝統芸能の魅力を海外へ伝えていくことを目指している。
