スモールビジネスの小売り店と卸し店舗が並ぶ、小東京に隣接したロサンゼルス通りの3街付近
 ニューヨークに拠点があるシンクタンク「Fiscal Policy Institute」が2010年度の国勢調査をもとに行った最新の調査によると、カリフォルニア州でレストランや食料品店、クリーニング店などを営むスモールビジネス・オーナーのおよそ3人に1人が移民であることが明らかになった。
 スモールビジネスとは、従業員数が100人に満たないビジネスのことをいう。10年には全米でスモールビジネス・オーナーの数は90万人に達した。およそ470万人の従業員が就労し、07年の時点で、7760億ドルの利益を出している。
 加州ではスモールビジネス・オーナーの33%が移民で、全米でもっとも移民のオーナーが多い州となった。次いでニューヨーク州、ニュージャージー州、フロリダ州、ハワイ州が続いた。
 都市別にみると、マイアミではスモールビジネス・オーナーの45%が移民と全米でもっとも多く、次に住民の34%が移民のロサンゼルス(44%)が続いた。3番目に多かったのはニューヨークで36%、4番目がサンフランシスコ(35%)だった。
 米人口の13%は移民が占めているが、そのうちの18%がスモールビジネスのオーナーになっている。20年前は12%だったことから、全米規模で増えていることが分かる。移民のスモールビジネス・オーナーは、現在では独自のアイデアで新たな市場を開拓し、今日の経済に非常に大きな影響力を及ぼしているとまで言われている。
 また米国生まれの労働者と比べても、移民の方がスモールビジネス・オーナーになる確率が10%も高かった。
 職種別でみると、タクシー運転手やリムジンサービスの65%、ドライクリーニング店の54%、ガソリンスタンドの53%、食料品店の49%、レストランの37%が移民のオーナーによって営まれている。また移民は診療所や不動産業を営む傾向もあるという。
 全米のスモールビジネス・オーナーを人種別にみると、メキシコ人が12%、インド人が7%、韓国人が6%、キューバ人、中国人、ベトナム人がそれぞれ4%だった。またこうしたオーナーたちの6人に1人が米国以外の国で生まれている。
 専門家によると、移民にとってベネフィットも付いた安定した職に就くことは非常に難しい。ほかに選択肢がなく、最終的に自らビジネスを始めるケースがほとんどだという。「大成功を収める人もいれば、生活がさらに困窮する人もいる」というのが現状のようだ。
 

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