ロサンゼルス市が正式に2024年五輪の開催都市に立候補することが決まり、記者会見で意欲を示すエリック・ガーセッティーLA市長
ロサンゼルス市が正式に2024年五輪の開催都市に立候補することが決まり、記者会見で意欲を示すエリック・ガーセッティーLA市長
 2024年夏季オリンピックとパラリンピックの招致で1日、ロサンゼルス市議会は、全会一致で立候補することを承認。同日午後、オリンピック委員会(USOC)が正式にLAを立候補都市にすると発表した。同市では1932年と84年にも夏季五輪が行われており、選ばれればロンドンと並び3度目の開催となる。【吉田純子、写真も】

五輪開催に向け意欲を示すガーセッティー市長
五輪開催に向け意欲を示すガーセッティー市長
 LAの名所で、太平洋が見渡せるサンタモニカビーチで、USOCのスコット・ブラックマン最高経営責任者(CEO)、LA市のエリック・ガーセッティー市長、LA市議会のハーブ・ウェッソン議長らが出席する中、記者会見は行われた。
 ブラックマン氏は「LAは過去2回にわたりオリンピックが行われている実績もあり、選手やファンを迎え、世界的スポーツイベントを開催できる都市であると期待している」と話した。
 ガーセッティーLA市長は「五輪の開催都市に立候補することが決まり誇りに思う。われわれは五輪に向けて動きだす準備ができている」と語り、意欲を示した。
 84年に行われた大会では、テレビ放映権料やスポンサー協賛金、入場料、記念品などの販売で多額の利益が生じ、過去の五輪の中でも商業的にもっとも成功した例となっている。
 USOCがLA市民600人を対象に行った世論調査では、回答者の81%が賛成、反対は11%だった。
 市民からの賛成を得ている上、過去2回の五輪で開会式や閉会式の会場にもなったロサンゼルス・メモリアル・コロシアムのほかステープルセンターやドジャースタジアムなど、既存の施設を会場として活用できることもLAの魅力で、新たな設備の建設にかかる費用が抑えられることも利点としてあげられている。
開催都市に立候補することが決まり喜ぶLA市議会のハーブ・ウェッソン議長(右)とギル・セディーロ市議
開催都市に立候補することが決まり喜ぶLA市議会のハーブ・ウェッソン議長(右)とギル・セディーロ市議
 LA市議会は先に、開催に伴う費用の推定額などを算出した予算計画案を発表。開催に伴う費用は推定41億ドル、およそ1億6100万ドルの黒字が見込めるという。
 同計画案をもとに、LA市議会では立候補するか否か、協議が行われてきたが、選手村の建設や、老朽化しているロサンゼルス・メモリアル・コロシアムの修復などにおよそ10億ドルの費用がかかることも指摘され、結論は先延ばしになっていた。
 24年夏季五輪招致をめぐっては、今年1月にボストンが候補地に選出されていたが、財政面で懸念があるとして、7月末に招致を断念していた。
 LAのほかすでにローマ、パリ、ハンブルク(ドイツ)、ブダペスト(ハンガリー)が名乗りを上げており、17年に行われる国際オリンピック委員会(IOC)の総会で開催都市が最終決定される。
 米国での夏季五輪は、1996年のアトランタ五輪以来行われておらず、LA市が選ばれれば28年ぶりの夏季五輪開催となる。
 発表から一夜明けた2日、ガーセッティーLA市長はIOCの本部があるスイスのローザンヌへと飛び立ち、IOCに正式に立候補を表明した。

飛び込みで84年のLA五輪で金メダルを獲得したグレゴリー・ローガニス氏(前列右から2人目)ほか、米国の五輪メダリストたち
飛び込みで84年のLA五輪で金メダルを獲得したグレゴリー・ローガニス氏(前列右から2人目)ほか、米国の五輪メダリストたち

Leave a comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です