干ばつにより干上がったセントラル・カリフォルニアの土地

干ばつにより干上がったセントラル・カリフォルニアの土地

 全米の干ばつ状況を観測する「干ばつモニター(U.S. Drought Monitor)」は3日、北カリフォルニアの10月の降雨量により、カリフォルニア州の4分の1の地域で干ばつが解消されたと発表した。【吉田純子】

 加州は5年におよぶ深刻な干ばつに直面している。そんな中、北カリフォルニアでは10月に各地で激しい雨に見舞われた。干ばつモニターによると、オレゴン州との州境に近い北西部で、加州全土の12%に相当する地域で、正常値もしくはそれ以上の湿度が観測された。また別の12%の地域では乾燥はしてはいるものの、干ばつ状態ではないと判断された。
 干ばつに改善傾向がみられたのは2013年3月以降はじめてとなる。
 干ばつモニターは連邦政府とネブラスカ・リンカーン大学の干ばつ緩和対策センターが共同で全米の干ばつ状況を観測している。
 一方、セントラル・カリフォルニアと南加地区をふくむ加州全土の4分の3に相当する地域では、依然干ばつ状態が続いているという。セントラル・カリフォルニアと南加地区では多くの農作物を生産しており、干ばつによる作物被害も深刻化している。こうした地区を含む加州全土の21%に相当する地域では今も深刻な干ばつ状態が続いていると判断された。
 加州のジェリー・ブラウン知事は2014年1月、こうした干ばつ問題を受け、非常事態を宣言。15年4月1日には干ばつによる水不足を改善するため、向こう9カ月間で25%の節水を義務付ける行政命令を発令。今年はじめに同行政命令は解除された。
 カリフォルニア大学デービス校の研究結果によると、干ばつによる加州の経済損失額は2015年だけで27億ドルにのぼると推定された。

Leave a comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です