入居予定の複合施設の前で写真に納まる鈴木さん一家



 小東京を代表するレストラン「スエヒロカフェ」が小東京に帰ってくる。2023年に立ち退きを余儀なくされた同店が、リトル東京サービスセンター(LTSC)が開発中の複合施設、「ゴーフォーブローク・プラザ&ファースト・ストリート・ノース・レジデンス」に、テナントとして入居することが決まった。

 創業54年で多くの人々に親しまれてきた日本食レストラン。オーナーの鈴木健司さんは「小東京はスエヒロカフェの原点。ここに戻ってこられるのはLTSCのおかげだ。この数年は本当に目まぐるしかったが、新しい複合施設でリース契約を結び、ようやく再び拠点を得ることができた」と語った。

商業リース契約書に署名する鈴木夫妻(写真提供=LTSC)

 スエヒロカフェは3年前、家族で長年営業してきた1街の店舗を閉じ、同じダウンタウン・ロサンゼルス(DTLA)でも小東京の区域外にある新店舗(400 Main St.)に移転していた。鈴木さんは小東京の店舗開店後は2店の経営を続ける方針だという。

 「ゴーフォーブローク・プラザ&ファースト・ストリート・ノース・レジデンス」は、テンプル通りと1街の間(232 Judge John Aiso St.)に建設中だ。この土地は、1950年代の都市再開発に伴う土地収用によって小東京コミュニティーが失った場所で、その後長年にわたり平面駐車場として使われてきた。

 LTSCは、「ゴーフォーブローク全米教育センター」との提携により、この場所を市内最大規模の「全戸低所得者向け住宅」開発の一つとして整備している。計画には、低所得者向け住宅248戸と、1階部分に約4万平方フィートの商業スペースが含まれる。建設は24年初頭に始まり、完成は今年後半を予定している。

建設が進む「ゴーフォーブローク・プラザ&ファースト・ストリート・ノース・レジデンス」。「スエヒロカフェ」の新たな拠点となる

 この開発は数十年ぶりとなる小東京エリアの拡大でもある。スエヒロカフェの復帰は、このプロジェクトが目指していた「地域に根差した老舗事業者の帰還」を象徴する出来事といえる。コロナ禍では、小東京の20を超える小規模事業者が姿を消した。さらに現在は、移民系事業者が連邦政府の関税政策による経済的圧力にも直面している。

 こうした中、スエヒロカフェのような歴史ある店舗の存続は極めて重要な課題となっている。

 LTSCによる新たな商業スペースは、一般市場では得難い安定した賃料環境と、地域コミュニティーによる支援を提供する。LTSCの共同エグゼクティブ・ディレクターの鈴木貴雄さんは、「スエヒロカフェは単なるレストランではない。日系移民のたくましさ、地域への愛情、消え去ることを拒む精神という小東京の象徴そのものだ。そして、このようなコミュニティー主導型プロジェクトを通じて、小東京の未来を守ることこそ、LTSC設立の目的だ」と述べた。

 LTSCは現在、同施設におけるジャクソン通り沿い1階部分の店舗入居者を厳選している。募集対象は「小東京で長年営業を続けてきた老舗小規模事業者」「地域密着型の非営利団体」「日系米国人および広範なAANHPIコミュニティーに貢献する文化団体」「既存の小東京の街並みを補完し、地域活性化につながる事業者」となっている。商業スペースの賃貸に関する問い合わせはエリック・ナカノさんまで、電話213・473・3030またはメール― 

 enakano@LTSC.org

 詳細はLTSC公式サイト―

 www.LTSC.org/FSN

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