ロサンゼルス・ダウンタウンのスキッドロウの路上でテントを張って生活するホームレスの人々

ロサンゼルス・ダウンタウンのスキッドロウの路上でテントを張って生活するホームレスの人々

 住宅都市開発省が全米のホームレス人口をまとめた最新の調査結果によると、ロサンゼルス市には「慢性的ホームレス」がおよそ1万3千人おり、全米の都市の中でもっとも多いことが分かった。うち95%が路上や車、テントの中で生活している。【吉田純子、写真】

 慢性的ホームレスとは1年以上住まいを持たず、継続的に路上や公園などで生活する人のことをいう。
 LA市の慢性的ホームレスの人口は前年比11%増、LA郡は前年比5・7%増だった。
 またLA市では退役軍人のホームレスが2700人、単身の若い世代のホームレスが3千人以上おり、全米の都市の中でもっとも多かった。
 同省によると、ホームレス人口が多く、増加傾向にある都市はLA市のほか、シアトル、ダラス、ワシントンDCなどで、こうした都市は家賃の急騰と、ホームレスへの住宅支援が十分に行われていないなどの問題に直面している。こうした状況が慢性的ホームレスの増加につながっていると分析されている。
 単身で慢性的ホームレスになった人の数を州ごとにみてみると、カリフォルニア州がもっとも多く2万9802人。次いでフロリダ州5415人、ニューヨーク州4112人、テキサス州3534人と続いた。
 慢性的ホームレスを含むすべてのホームレス数でもカリフォルニア州は全米でもっとも多く、前年比2・1%増の11万8142人だった。うち7万8千人が路上や公園など屋外で生活しており、それ以外はシェルターや住宅支援施設に入居している。
 全米のホームレス人口は54万9928人で、前年の56万4708人よりおよそ3%減少した。調査結果によると、全米のホームレスの大多数が24歳以上の白人男性だったという。
 ホームレス対策として、今年はじめ、カリフォルニア州議会は20億ドルを投じてホームレスの支援住宅を建設する法案を承認。LA市でも今月、向こう10年で12億ドルを投じて、およそ1万棟のホームレス住宅を設置する法案を承認したばかり。これによりおよそ1万人のホームレスに住宅があてがわれる予定だという。
 調査は全米の路上やシェルターで今年1月に行われた。

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