佐藤芳江さんと七夕飾りを制作する子どもたち
 二世週祭で開催され、9回目の今年も盛況に終わった「ロサンゼルス七夕まつり」(撫養真寿美会長)に、シカゴ日本祭(吉池学、ジーン三島・共同実行委員長)で作られた七夕飾りが初出品され、会場を彩った。シカゴ市の旗のロゴが入った作品は、撫養会長らが現地に赴いて指導し作られたもので、米国での普及を目指すLA七夕まつりの熱意は、はるか2000マイル以上離れたシカゴの日系社会に伝わり、交流が芽生えた。

 米国中西部最大というシカゴの日本祭は、6月に開催された。LAから撫養会長と、栃木県人会会長の佐藤芳江さんと、夫の了さんが参加した。
 了さんは、元フレンチシェフ。引退後も、芳江さんとともに、世界を回り料理の研究や指導のかたわら、南アフリカのマーシャス島やアラブ首長国連邦のドバイなどで七夕飾り制作のワークショップを行い、七夕の「伝道師」として活動している。夫妻は、LA七夕まつりの発案者で「素晴らしい七夕まつりを、世界に広めたい」と願う南加宮城県人会会長の米澤義人、純子夫妻をロールモデルとする。

LAから送られた七夕飾りと真剣なまなざしの中学生
 LA七夕まつりは、シカゴの日本祭に七夕飾りを寄贈し、会場に展示した。この飾りは元々、仙台市の「白松がモナカ本舗」社長の白松一郎氏から「日本文化を海外で広めてほしい」という思いで贈られたもの。色鮮やかな和紙と竹の格子で作られた芸術品で、コンクールで金賞を受賞している。
 シカゴにはまた、LAで制作された6フィートの七夕飾り4個を加え、合わせて5個の七夕飾りを贈った。運搬は、佐藤夫妻がワゴン車に載せ3日半かけて陸送し、現地まで届けた。手を借りた友情とメンバーの情熱が実り、展示を実現させた。
ワゴン車に載せ3日半かけて陸送
 シカゴ在住の日本人は、七夕のイメージは、笹に願いごとを書いた短冊を吊すと思っていた人が多かったため、豪華な七夕飾りを披露した際は驚き、大喜び。撫養会長らは、遠路はるばるの来客として、温かく迎えられたという。
 会長と夫妻は、祭りの会場で七夕飾りのワークショップを開いた。幼い子供から大人までがブースを訪れ、両日とも終日盛況。会長は、上部の球状の花飾り作りをていねいに指導し、参加者は楽しいひとときを過ごした。遠方のウィスコンシン州やインディアナポリス方面から来た人もおり、皆で作った花をまとめて飾り付けた。最後は、シカゴ市の旗のロゴを入れて完成させた。
小さな飾りがひとつになり、豪華さが増す
 二世週祭で展示されたシカゴ製の七夕飾りは、両日系社会の友好のシンボルとなった。シカゴの日本祭は来年から、七夕飾りを作って展示することを決定。来年に向け、早くも動き出し、材料の和紙の入手方法や七夕飾りの作り方などをLAに問い合わせているという。佐藤夫妻は「シカゴとLAを車で、4500マイルを往復したかいがあった。感激でいっぱい」と喜んだ。
 吉池氏は「撫養会長と佐藤夫妻は、多くの参加者に七夕飾りの作り方を丁寧に指導してもらった」と謝意を表した。寄贈された七夕飾りについては、大勢の来場客の目を奪ったとし「これからもシカゴ日本祭で飾り続けらるとともに、両会の良好な関係の第一歩になったと確信している」と述べた。

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