トーリーパインズの断崖から海を熱心に撮影する生徒ら
 日系パイオニアセンターの写真教室で学ぶ生徒らがこのほど、野外撮影会に参加しサンディエゴに赴いた。被写体を追い各所の撮影ポイントを抑え、作品づくりに没頭した14人は今週末開く写真展に出展するといい、力作が期待できそうだ。

夢中になってシャッターを切る余田道子さんら生徒
 生徒はまず、有名人の別荘など大邸宅が多く建つトーリーパインズの高級住宅街を抜け、太平洋に臨む丘陵地に立った。眼下に広がる絶景に、一斉にカメラを構え夢中になってシャッターを切った。
 引率した写真教室の講師2人からは、ただ大きな海を漠然と写すのではなく「海岸や波、船、ヨット、サーファー、そして空や雲、鳥などを構図を考えて入れるように」「(海の前景として)岩や木、植物を入れれば、遠近感が増す」などと指導され、すぐさま実行。見違えるようによくなった作品を確認し、上達を実感していた。同所は春には多種の美しい野花が咲くことで知られ「また、ここに戻って来て、きれいなお花を撮ってみたい」と、女性参加者らが願っていた。
 次のラホヤは、アシカやカモメ、リスなどの野生動物、カヤックやダイビング、マリンスポーツを楽しむ人々など被写体の宝庫だ。くねりと曲った大きな古木を囲んでは、講師の講習会が持たれた。生徒をモデルに木の前や横に立たせ、また座らせ、教室では学ぶことができない、生きた教材である日陰でのポートレートの撮影方法などを習得した。
 バルボア公園では、人工池と花々、古い建物を組み合わせ写真に収めると、園内にある芸術写真博物館で開催されていた著名な写真家の展示をじっくりと見学。世界各地の秘境に足を踏み入れた大自然や、ジャングルで暮らす原住民の生活を紹介した大作に圧倒されながらも刺激を受けた様子で、自分たちの作品展示の発表会に意欲を示していた。
南米の秘境を紹介する作品を鑑賞する参加者
 講師の岡田信行さんは野外撮影会について、クラスで習ったテクニックを実践するチャンスだとし「構図の決め方や光の調整など、生徒のみなさんはいろいろ試して創作意欲が旺盛だった。丸1日撮影に専念して、思い思いの作品ができたと思う」と述べた。
 生徒の写真展については、テーマに沿って撮影することはプロでさえも容易ではないといい「生徒はテーマ(カリフォルニア)の下に撮影することで、いい勉強になったと思う。生徒25人のこの1年の頑張りを見に来てほしい」と来場を呼びかけている。
 パイオニアセンターの写真教室の作品展は日米文化会館で行われ、18日が午前10時から午後5時、19日は午前10時から午後4時までで、入場は無料。詳細はパイオニアセンターまで、電話213・680・1656。
 メール―
 nokada@hotmail.com
【永田潤、写真も】
野外撮影会に参加した生徒たち。18、19日の写真展が楽しみだ

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