熱戦を繰り広げた冬季五輪とパラリンピックが終わった。日本選手の活躍により6月のサッカーワールド杯に照準を合わせる日本代表は刺激を受け、そして2年後の東京五輪に弾みをつけたことだろう。
 ここ数週間、降ったりやんだりの南カリフォルニアで、不順な天候のうっぷんを晴らすかのように女子テニスの大坂なおみが先週の大きな大会で初優勝を飾った。勝利の美酒に酔った3日後には、小さい頃から憧れたグランドスラム優勝23回のセリーナ・ウィリアムズをあっさりと倒してしまった。弱冠20歳、長身で筋肉質のがっちりした体格から繰り出すパワフルなサーブとリターンで相手を圧倒。4大大会制覇もそう遠いことではないようで期待は高まる。
 日本人の母を持ち、日本で生まれ、テニス選手としての国籍は、誇りを持つ日本を選んでくれ、出場を熱望する東京五輪が楽しみだ。ハイチ出身の父は、10年以上日本に暮らしたため日本語はペラペラだそうで、本人ももう少し日本語がうまくなってもらえればうれしいのだが…。
 大リーグは、来週いよいよ開幕を迎える。日本でいう球春は、ファンにとって興奮を抑えることができない時期。だが、気がかりな日本選手もいる。
 まず、所属先がなかなか見つからず、ようやく古巣に落ち着いたイチロー。昨年までとは大きく異なり出場機会は増え開幕戦で先発するようだが、4月は調子が上がらないタイプなので少々心配。走攻守の三拍子が揃った希代のスーパースターも衰えは隠せず、打てないと出場機会は当然減り、考えたくもないが高齢のため引退と隣り合わせの厳しいシーズンになるかもしれない。危機感を持って応援してほしい。
 次に打って、投げての「二刀流」を引っ提げ話題をさらった大谷。先に指名打者で出る模様で「華々しいメジャーデビュー」を飾って、登板に勢いをつけてもらいたいが、投打ともにスランプが続いている。本人が言う成長段階なので、ファンは焦らず温かく見守りたい。
 心配ばかりしていてもしょうがない。待ちに待ったシーズン開幕、と気持ちを切り替えよう。【永田 潤】

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