ブロンクスにあるHART ISLANDの存在を、つい先日ニュースで初めて知った。ここは1869年を機に、身寄りのない死者の埋葬が始められた島で、戦死者、ホームレス、AIDSや結核患者など、魂と分離した孤独の屍が百万以上も横たわっているという。
 パンデミックが起こるまで、約百体という1週間の平均埋葬数が今ではその5倍に跳ね上がったらしい。COVID・19の死者数が葬儀屋の許容範囲を遥かに上回っていることも、大きく起因しているはずだ。
 死んでしまえば、この世ともお別れ、命あっての物種だ。今ある健康に感謝し、罹患(りかん)回避の最善の努力を続けつつも、切磋琢磨(せっさたくま)で自分を高めていくことも忘れてはいけない。だから自分 は、一般的に健康維持に大切だとされる話食動眠(話す、食べる、動く、眠る)に、「学」(学ぶ)も加え、収束後のより良い生活に繋げられるようにしている。
 世の中、学ぶことは山ほど有るが、外出自粛令以降、自分は手軽にできる漢字の勉強にはまって いる。英語はアルファベットを覚えれば、つづりを記憶することは別としても、書くこと自体は難しくない。しかし、漢字は奥が深い。何しろ種類が多いし、音、訓を合わせれば、読み方も 一つや二つどころではない。書き順も規則性があるようで不規則だったり、四字熟語や故事成語も数えきれない。
 「書は人なり」と言うが、漢字を丁寧に書くことで、少しずつ字が奇麗になるメリットもあるし、ペンを指で動かす行為が記憶力の低下を防ぐ気もしている。最近はパソコンやスマホを多用することで字を書くことを忘れてしまっていたし、眠っている脳細胞も目を覚まし始めたはずだ。
 ところで、話食動眠学の「眠」は、会意文字であり、目を閉じた状態を示す「目+針に目を指 した」象形文字でもあるのだが、肉体が休止状態になり、煩悩から解放される「睡眠」は極楽 だ。今は亡き祖母も、僕が子供の頃、「寝るより楽はなかりけり…」と言っていた。しかし、 この「眠」、組み合わせによっては、この世を去る「永眠」になってしまうから、うかつに寝てばかりもいられない。【河野 洋】

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