
2月18日、総領事公邸で旭日小綬章を授与されたデイビッド・オノ氏。米国における日本理解促進への努力と、日本人・日系人社会での活動に対して、日本政府から表彰された。それは誰も通らない道のりであり、ほぼ起こり得ないと思われた活動だった。
風の強い晴天の午後、オノ氏は羅府新報のインタビューに答え、ニューヨークでキャリアを積み上げる予定だったオノ氏がロサンゼルスに向かったいきさつを話した。それは1996年、シェリル・フェア社長兼ゼネラルマネジャーをはじめとするABC7の幹部からの電話が、オノ氏のキャリアと人生を変えたのだ。この運命的な決断以来、オノ氏はジャーナリズムやボランティア活動を通じて、地元の日系社会にとって必要不可欠な存在となっている。
武藤顕総領事は、オノ氏の友人や地元の日系コミュニティー・リーダーたちが見守る中、オノ氏に旭日小綬章を授与した。武藤氏は、第2次世界大戦中に密かに撮影された2千枚の写真をもとに日系人収容所での生活を描いた「ハートマウンテンの遺産」(The Legacy of Heart Mountain)など、オノ氏のドキュメンタリー作品の一部を紹介した。最近では、制作パートナーのジェフ・マッキンタイア氏とともに、気候変動の影響に関する番組を制作している。

武藤氏は、「デイビッドは、この険しい土地に住むことの難しさ、しばしば悲劇的な結果に光を当てたが、同時に逆境の中で培われた精神的な強さと友情も示した」と述べた。
「ハートマウンテンの遺産」は、エドワード・R・マロー賞と四つのエミー賞を受賞した。ABC7とPBSで放送されたほか、スミソニアン博物館の一部である国立米国歴史博物館でも上映され、これまでほとんど無視されてきた歴史の一章を米国人に伝える一助となった。
オノ氏は、小東京の老舗和菓子店「風月堂」店主のブライアン・キトウ氏、「Go For Broke National Education Center」のミッチ・マキ氏、リンダ・アラタニ氏、ロバート・ホースティング氏、全米日系人博物館のアン・バロウズ館長、ジャパンハウスの海部優子氏など、日系コミュニティーで築いた多くの友人たちを紹介した。
「ありがたいことに、私がロサンゼルスに来て以来、すべての扉が開かれた」と話すオノ氏は、「賞をもらうということは、終わりというより、途中経過のようなものだ」と続けた。「武道と同じで、技術や芸術が好きなら、黒帯はほんの始まりに過ぎない。この先には、たくさんの段階が待ち受けている。まだまだ語られるべき物語があり、進めるべきプロジェクトがたくさん残されている」と話し、「皆さんのこれまでのご支援に感謝し、今後も続けて支援をいただけることを願っています」と結んだ。
オノ氏は時折、感を極まらせ、軍隊に所属していた父のことや、母のことを話すとわずかに声を詰まらせた。そうした感情の全てが、オノ氏を日系社会の中に引き込んだものなのであろう。
「私たち自身が生き、お互いを支え合い助け合っているこのコミュニティーを、愛している。私たちは皆、一緒にここにいる。これからも日系社会を祝福し、理解を深めていきたい。私が自分の過去や私の母について話さなくても、皆さんが、母が私を誇りに思えるように助けてくれた」と語った。
式典では二世週祭のホスト役でコンビを組む女優のタムリン・トミタさんが乾杯のスピーチと音頭を取った。

「彼のおかげで、私たちの考えと心が一つになり、さらに、もっと大切なこととして、人と人が結びつけられる」とトミタさん。「だからこそ、私たちは彼の描く筋書きやユーモアのセンスを信じているのだ。彼はいつも、自分たち自身や子どもたちにとって普通のこと、その中でヒーローやヒロインが生まれるようなことに焦点を当てようとしている」。
また、マッキンタイア氏は祝辞の中で、オノ氏の「テレビを象徴するような濃い髪」をからかいつつ、「オノ氏の才能は生活の中の小さなディテールに美を見いだし、視聴者と共有することだ」と述べた。
2011年3月、オノ氏とマッキンタイア氏は、東日本大震災の津波と地震の被災者を取材するために東北地方に向かった。そこで出会ったのは、テニスチームに所属し、いつか大会に招待されることを夢見る少女たちだった。
マッキンタイア氏は「彼にとって、美しさは細部に宿るものであり、テニス選手たち、つまり希望以外の全てを失った少女たちの物語を伝えることは、日本についての大きなメッセージを発するための素晴らしい方法だった」と語っている。
ABC7のシェリル・フェア社長は1996年にオノ氏を採用して以来、オノ氏が日系米国人社会との関わりを通して自分らしさや目的意識を見いだすのを見てきたと話す。「デイビッドは、日本や日系社会の素晴らしさを伝える大使のような存在だと思う。そして、その情熱を家族や視聴者と分かち合っている。彼のおかげで、ABC7『アイウイットネス』ニュースがより充実したものになり、視聴者もより良い情報を得られてきたことは間違いない」とオノ氏をたたえた。
【グエン・ムラナカ、写真も】

