日本とイタリアのリアルな小学生の気持ちがを聞ける「日本語もっと」。ビデオ部門3位になった

 テラサキ・ニベイ財団が開催した第2回日本語コンテスト「あなたにとって日本とは?」の受賞者発表が行われた。このコンテストは、今まで継承語としての日本語学習者や新1世を両親にもつ新2世の日本語学習者が、日本語を外国語として学んでいる学習者と競い合える数少ない日本国外のコンテストである。また、日本語スピーチコンテストと異なり、ビデオ、脚本、エッセーを競い合うという点で、ユニークで興味深いコンテストとなっている。ロサンゼルス圏内に限らず、世界中への呼び掛けと奨励を行った結果、39人による21組の作品の応募があった。特にビデオ部門は昨年同様、内容もクオリティーも大変高く、受賞作品以外にも素晴らしい作品があった。また、エッセー部門の作品は「大森アワード日本語作文コンクール」に同時応募している。

ビデオ部門1位に輝いたマリー・ロマーノさんの「お抹茶の美しさ」のシーンから

 ▽各部門の受賞者次の通り。
 脚本部門(応募総数8)
 1位「博士とロボット」タイゾウ・ナカヤマ
 2位「UCLAの学生グルメさがし」ローナン・アキラ・コニシ、ソン・ミンウク、ハ・ジェヨン
 3位(同点2作)「言葉戦争」ジョージ・シェヌセイ/ニコラス・ソック、「あともう少し」ジョナス・ガルシア/シャルメーン・コンセプシオン/ライアン・ジョリヴェット
 ビデオ部門(応募総数5)
 1位「お抹茶の美しさ」マリー・ロマーノ
 2位「沈黙の大切さ」ブランドン・ヤング
 3位「日本語もっと」ソラ・アダチ、リュウセイ・カワバタ、マコト・ヨシオカ
 エッセー部門(応募総数10)
 1位「おかえりなさい」ルードヴィヒ・K・T・バーテルス
 2位「私にとって日本とは」シアラ・サッソーネ
 3位「祖父からのメッセージ」ショーン・シンノスケ・マサダ
 (審査員の総評)
 2人の審査員がビデオと脚本の審査を行い、別の2人が作文の審査を行った。審査員からは以下のような総評を得たという。
 ビデオ作品「お抹茶の美しさ」は映像が美しく、ナレーションの柔らかな語り口がよく合っていた。抹茶に関してさまざまな言葉を使った描写と、自分の気持ちを印象的に盛り込んでいる。2位の「沈黙の大切さ」は「沈黙」という難しいテーマに果敢に挑んだことが素晴らしかった。欧米的には否定されがちな「静かである」という自分の特性を、異文化である日本のことを知ることで肯定することができるようになったというストーリーは感動を呼ぶ。3位の「にほんごもっと」は日本とイタリアのリアルな小学生の気持ちを聞くことができてとても面白かった。「イタリアの学校給食はいつもパスタだし」と、ぼやいている姿が印象的。その他の作品も自分にとっての日本をよく表現していた。
 脚本作品「ロボットと博士」は、セリフのテンポも脚本の技術も高い作品だと感じた。面白いSF作品に仕上がっていて、星新一のショートショートに出てきそうな物語。2位の「UCLAの学生、日本グルメ探し」は日本と韓国の関係や日本の神話をよく勉強した脚本だ。同点3位の「あともうすこし」はさぼり癖のある学生たちの日常がとてもコミカルに描かれていた。「言葉戦争」は、カタカナを使ってはいけない遊びや敬語を使う遊びなど、日本語の難しさを逆手にとったゲームが興味深く、楽しみながら読むことができた。
 エッセー作品はグローバル化が進み、「日本人」と「外国人」という表現の境界が曖昧になる中、「日本国籍以外の人」を参加者の対象としながらも「二重国籍者」の参加を認めたところ、非常に多様な作品が集まり、それぞれの作品に作者の「日本への思い」が詰められていて、読みながら、涙したり、ほのぼのとした気持ちになったりした。1位の作者が自分のアイデンティティーを模索しながらも、日本には「おかえりなさい」と言ってくれる家族がいるという話は、海外に住む日本人の気持ちを代弁しているかのようだ。音楽や言葉の美しさから「日本」を感じている作品が多く、すべての作品が甲乙つけがたいものだった。
 主催のテラサキニベイ財団は、在ロサンゼルス日本総領事館とジャパンファンデーションのスポンサーを受けコンテストを成功裏に収めることができたことに感謝を表している。武藤顕総領事からの総評ビデオはYouTube(https://youtu.be/BNExKyTJJ1A)で見ることができる。
 コンテストに関する問い合わせは岡田さん、メール—
 nokada@terasaki.org

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