3度目のロサンゼルス公演を楽しみにしているというキングレコード所属の演歌歌手の北川裕二さん

 創立30周年を迎えた「ひまわりカラオケ同好会」(宇尾野ゆみ代表)が6月19日(日)、トーレンスのジェームズ・アームストロング劇場(3330 Civic Center Dr.)で「30周年記念公演」を催す。正午開場・午後1時開演。
 公演は2部構成で、第1部は会員と地元のアマチュア、セミプロ歌手が友情出演し、総勢21人が自慢の喉で日本の名曲を歌う。第2部は日本から招いた演歌歌手・北川裕二(キングレコード)が歌謡ショーを行う。満を持してのロサンゼルス公演に「ゲストの北川さんもはりきっている」と主催者の宇尾野さん。2020年に開催予定だったが新型コロナウイルスのパンデミックで開催できず、2回の延期を乗り越えてこのたびの開催にこぎ着けた。久々の本格的な歌謡ショーの開催に、こぞっての来場を呼び掛けている。
 宇尾野さんがひまわりカラオケ同好会を発足させたのは1990年。その後、会は驚くほど発展してオレンジ郡やサンディエゴ郡にも支部を増やし、一時は会員数が100人を超えた。

自宅スタジオでカセットテープやCDの音源に囲まれる宇尾野さん

 「当時は私も50代で若かったので、今日はこちら、明日はあちらと各会場を飛び回っていた」と宇尾野さんは振り返る。会員のためにカラオケテープを製作し、カラオケマシンを持参し、指導する。家に戻ればまた、誰かのためにテープを作るので忙しい。一人一人の音域は違うため、それぞれの声に合った音程の音楽テープを作る。「もちろん今はCDですけれどね。かつてはカセットテープ。音源の収集、それから楽譜がないと皆が歌えないので、最新の楽譜の本も日本から毎月取り寄せています」
 宇尾野さんの自宅のスタジオはおびただしい数の音楽カセットテープや音楽CDで埋め尽くされている。一体どのぐらいの数があるのか。「数えたこともない」と言うが、さながら創立から現在までの同好会の歴史を凝縮したかのようだ。過去30年間に出版された日本の演歌・流行歌の全てがそこにあることは想像に難くない。
 「以前の南加には多くのカラオケ同好会やクラブがあり、歌祭りや歌謡ショーももっと盛んだった」と言う。日本の歌謡曲を愛する草の根のコミュニティーの中で、ひまわり同好会は定期的に発表会を行い、また、宇尾野さん自身もこれまで多くのステージで歌ったりカラオケコンテストの審査員を務めたりしてきた。写真立てや額に収められた華やかなステージ写真や集合写真が歴史を物語る。その中に、ロサンゼルスを訪れた日本の歌手、美川憲一と並ぶ1枚の写真がある。歌仲間と一緒に満面の笑顔で写っている。多くの友人たちと歌を通じて充実した時間を共に過ごしてきたことが分かる。「今回の出演者の中で、最も長い生徒は有村節子さんや前脇エバリンさん、大賀泰三さんら」と、宇尾野さんは一緒に活動してきた長いようで短かった30年を振り返る。

敬老引退者ホームの慰問に日本から訪れた歌手・美川憲一(中央)と小東京の文化堂で写真に収まる宇尾野さん(右)

 だが、一方では「マ和子さんやドクター・ミキさん…同好会を共に盛り上げた大事な友人が、火が消えるように亡くなってしまって寂しい」とも言う。また、欠かさず続いた毎週のレッスンが、新型コロナウイルスのロックダウン以後、長い休止に置かれたのは痛手だった。生徒の中には「もう歌えない、目標にしていた30周年のステージに立てるか分からない」と自信をなくす人もいたという。「私もこれが最後のショーになるかもしれない…」

 そんな時に宇尾野さんを元気にするのは、会の顧問・藤本章さんの存在だ。藤本さんは歌唱だけでは飽き足らず、日本の歌謡文化の米国普及を目指す「日本歌手協会USA友の会」の発足や、最近は「作詞家・ふじたくま」として活動するなど、活躍の場を広げている。日系コミュニティーへの貢献を強く意識する藤本さんの薦めもあり、宇尾野さんは小東京に先ごろ完成した日系コミュニティー施設「テラサキ武道館」への寄付を行い、ひまわりカラオケ同好会の名前を同館に刻んだ。常に前向きで明るい生き方を貫き、さながらヒマワリにそそぐ太陽のような藤本さんのエネルギーが、30周年記念公演の開催を諦めてはダメだという後押しになった。
 現在、公演に向けて準備が進む。
 ▽第1部の出演者と曲目は次の通り。順不同。
 宇尾野ゆみ(岸壁の母)、福島広志(男傘)、野宮志津江(すみだ川)、高浜春生(昭和平成令和を生きる)、真木里子(望郷千里)、野口千草(不知火情話)、藤本能子(南部蝉しぐれ)、新橋美代子(命咲かせて)、小林茂(天竜流し)、バーレッジ登久子(女さすらい)、比嘉正子(無情の波止場)、府川ビル(舞妓はん)、ラウトスキー光子(別れの公衆電話)、有村有二(泣いて大阪)、ウルフ久美子(惚の字傘)、比良ジョン(櫻貝)、増田順子(ああ…あんた川)、前脇エバリン(おんな夢太皷)、大賀泰三(百年の蝉)、有村節子(夕月おけさ)、藤本章(ああ大森城址)、坂東流舞の会社中

おびただしい数のカセットテープがひまわりカラオケ同好会の歴史を物語る

 第2部歌謡ショーの北川裕二はキングレコード所属で大阪を中心に活動する演歌歌手。1983年日本テレビ「新スター誕生」で第6代グランドチャンピオンに輝き、84年に「雨の停車場」でデビュー。弦哲也の愛弟子である。2月に発売された25作目の新曲「湯涌恋灯り」/「海を渡った人生」を携えて来米する。これまで2回のロサンゼルス公演では歌とトークを織り交ぜてエンターテイナーとしての実力を発揮し、観客を魅了した。
 入場料は寄付の35ドル。
 問い合わせは宇尾野さん、電話562・889・6519、または日本歌手協会USA友の会、電話213・625・1998、またはメール—
 NipponKashuKyokaiUSA@gmail.com
 さらに翌日6月20日からは「北川裕二歌手とのファン感謝ラスベガス旅行」(2泊3日)が企画されている。詳細は上記日本歌手協会米国友の会まで。

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