

南加県人会協議会(リチャード・ワタナベ会長)は、運営資金捻出のための第18回在ロサンゼルス日本総領事杯ゴルフトーナメント(西元美代子大会委員長)を5月27日、モンテベロ・ゴルフコースで開催した。105人が和気あいあいとプレーし親睦を深めた。福島県出身の猪狩喜徳さんが初優勝し、総領事杯を手にした。

大会は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で2019年以来、3年ぶりの開催となったが、協議会の活動の趣旨に賛同する多くの個人と企業、団体が協賛し、ホールインワンやニアピンなど各賞が設けられた。協議会は例年並みの収益を見込んでおり、資金はコミュニティー発展の活動に役立てられる。
優勝した猪狩さんはこの日のプレーを振り返り「パットが二つくらい良かっただけで、あとは球が飛ばず良くなかった」と話した。だが「一緒に回った仲間と仲良く楽しくゴルフができたので、気持ちいい1日を過ごすことができた」と笑顔で話した。優勝は予期せず「調子が悪かったので、優勝してびっくりしている。今年は喜寿(77歳)なので、何かいいことがあるかもしれないと思っていたところの優勝だった」と話した。若いころは、アンダーやパーで回っていたという。今は飛距離が落ちスコアは伸びないが、まだ達成していないエイジシュートを目標にしている。

猪狩さんは県人会に属しておらず、今回は友人に誘われ初めて大会に参加した。県人会協議会の活動はよく知らなかったが、今大会に参加したことで、地元の若者を対象に授与する日本文化奨学制度や各都道府県のプロモーション、日本各地で発生する災害時の義援金募集などを行う協議会の社会貢献を知ったと言い、「すばらしい活動をしている。今日は大会に参加して直接かかわることができて良かった」と述べた。最後には来年の連覇に意欲を示した。

表彰式に武藤顕総領事の代理で参加した菅野直和領事があいさつに立った。「半年前にアフリカ・ボツワナからの異動で当地に着任し、リチャード・ワタナベ会長と同じ福島県出身」と自己紹介し、託されたあいさつ文を代読した。総領事は書面を通じて、パンデミックによるブランクを経て大会を実現させた関係者の労をねぎらうとともに、「朝からプレーした参加者のバイタリティーが当地日系社会の大きな支えとなっている」と、イベント参加者をたたえた。

西元委員長は大会を振り返り、「パンデミックによる3年のブランクによるマイナスは否めなかった」と話した。健康上の理由で参加を見合わせる人が増え、経験豊富なベテランボランティアが減ってきたことを挙げ、また、協議会で過去に会長を務めるなどして会の発展に尽くしてきた102歳の三宅明己さんやマック宮崎さんらの功労者が今大会に参加できなかったことを残念がった。大会当日は、時間に追われて四苦八苦し「こうすれば良かった」などと反省が多かったという。だが、参加者から「よかったよ」「ありがとう」「ボランティア、お疲れさま」などと声を掛けられ、数カ月前から準備した苦労が報われたと話し、「皆さんの好意と協力により大会を成功させることができてうれしい」と喜んだ。

ワタナベ会長は大会について、これがパンデミック後に同会が初めて主催した大きなイベントであることを強調し、「過去2大会が中止になったので悔しかったが、今年はようやく開催でき、とてもいい大会にすることができてうれしい。皆さんの協力に感謝したい」語った。
また、今後の活動については、二世週祭でのロサンゼルス七夕まつり、敬老感謝の昼食会、親睦ボウリング大会を挙げた。ただし、日本文化継承者への奨学資金集めの「親睦演芸会」は今年は中止を決めたという。「新型コロナが完全に収束するまで慎重に行動する」とし、活動の本格的再開は来年の見通しであることを明かした。月例ミーティングをズームによるオンラインで引き続き行い、各県人会と連携する意思を示した。

