2022年12月13日、約2カ月ぶりにロサンゼルス市議会に出席したケビン・デ・リオン議員(AP)

 ロサンゼルス・タイムズが1月22日、ロサンゼルス市議のケビン・デ・リオン氏に対する最新の世論調査の結果を発表し、過半数が同市議の辞職を望んでいることが分かった。
 デ・リオン氏は昨年10月に発覚した、2021年に録音された人種差別発言問題に関わった議員のうちの1人。当時市議会議長だったヌリ・マルティネス氏とギル・セディーロ議員はその後辞職したが、デ・リオン氏は市議会での抗議運動やバイデン大統領からの要求にもかかわらず、断固として辞職を拒否。2カ月ほど議会を欠席していたが、昨年12月には公務にも復帰している。
 2024年まで任期のあるデ・リオン市議のリコールについては、すでに昨年の12月6日にロサンゼルス市によってリコール投票要求の署名開始が承認された。
 デ・リオン氏の処遇に対する意識調査は、ロサンゼルス・タイムズが全米調査会社Strategies360を通じて行ったもので、デ・リオン氏が選出された第14選挙区の有権者400人を対象に、1月10日から16日にかけて実施された(誤差は4・9%ポイント)。
 調査に協力した回答者のうち、「デ・リオン氏の仕事ぶりを認めている」のは23%で、「認めていない」が48%だった。また、辞職に関する質問には「辞職すべき(51%)」「留任を望む(22%)」「どちらとも言えない(18%)」「無回答(9%)」だった。さらに、仮にリコール投票が行われる場合、「リコールに賛成(58%)」「反対(25%)」「どちらとも言えない(17%)」と回答している。
 デ・リオン氏は自分の発言への許しを請い、その多くが不法滞在でスペイン語を話す住民が占める第14選挙区において市民の代表として仕事を続けていると主張している。しかし同区の有権者は人種、民族、地域にかかわらず概して同氏を支持していない。
 ラテン系有権者の間でも支持率は低く、デ・リオン氏が議員を続けていることが「ラテン系コミュニティーにとってプラスよりもマイナスになった」と答えた人が約半数いるのに対し、「プラスになった」と答えた人は10人中3人に過ぎなかった。ラテン系の有権者や高等教育を受けていない有権者、そして若い有権者は、白人や高等教育を受けている有権者よりもデ・リオン氏を否定的に見る傾向が強かったが、どの主要な人口層からも過半数の支持を得なかったことが、この世論調査で明らかになった。
 調査を行ったStrategies360のドリュー・リーバーマン氏は「この世論調査では人口構成やイデオロギーに関わらず、有権者はデ・リオン氏に嫌悪感を抱いており彼が去ることを望んでいる」と述べている。もしリコール投票が行われることになればラテン系有権者の過半数がリコールを支持し、白人の有権者はさらに多くの票を解職に投じると推測されている。
 リコールが成立するには2023年3月31日までに第14選挙区の登録有権者から2万437人の署名を集めなければならない。 
 評議会第14地区の登録有権者を対象としたこの世論調査は、英語とスペイン語で、携帯・固定電話などで実施された。調査方法の詳細および質問と結果は、Strategies360のウェブサイトから閲覧可能— 
 https://www.strategies360.com/landing/la-times-polling/

Leave a comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です