曽根総領事(右端)より表彰状を受け取るイカリ会長(左)とコウノ前会長

 在ロサンゼルス総領事館はこのほど、4世バスケットボール協議会に対する令和4年度の外務大臣表彰伝達式を行った。外務大臣表彰は、国際関係のさまざまな分野で活躍し、日本と諸外国との友好親善関係の増進に、特に顕著な功績のあった個人および団体について、その功績をたたえるとともに、その活動に対する日本国民の理解と支持を一層深めることを目的としている。4世バスケットボール協議会は、訪問プログラムによる青少年の育成と環太平洋地域への貢献が評価された。

4世バスケットボール協議会創設者のフランク・キヨムラさんの娘ジェイミー・キヨムラ・チャンさんが乾杯の音頭を執った

 同協議会は、1993年に南カリフォルニアの日系米国人グループが設立した非営利団体で、バスケットボールを通じた青少年の文化交流を目的としている。30年にわたる活動で、これまで南カリフォルニア在住の約600人の中学生が夏休みを利用して日本の各都市に滞在し、バスケットボール親善試合を行ったりホームステイをしたり、訪問先の青少年と交流するとともに日本の伝統と文化的ルーツを直接体験している。また、日本からも約600人の生徒がロサンゼルス地域を訪問し米国の文化を体験しており、この相互訪問プログラムは1年ごとに交互に行われている。
 2000年からは、奨学金プログラムを導入し、現在までに100人近くの日本文化に関心のある高校3年生に授与するなど、同協議会は日米双方の若者のスポーツを通じた交流・育成を通じ日米の友好親善・文化交流に大きく貢献している。

4世バスケットボール協議会創立メンバーの1人、レナード・ヤングさん(前列中央)を囲む訪問プログラムの卒業生たち。(前列左から)ケイティ・イケモト(Y24)、アリソン・チャン(Y23)、イジー・チャン(Y27)、ケナ・マコンナキー(Y20)、(後列左から)ライアン・リー(Y10)、ダリン・チャン(Y26)、ブランドン・チャン(Y20)、ケンジ・イカリ(Y3)(敬称略、カッコ内の数字は所属期)

 在ロサンゼルス日本総領事公邸で開催された表彰式では、曽根健孝総領事が4世バスケットボール協議会のキャシー・イカリ会長とスコット・コウノ前会長に表彰状を授与した。曽根総領事は、自身も高校生の時にバスケットボールをプレーしていたことに触れ、「東京五輪が示したように、スポーツは人を結びつけ国同士の懸け橋となる」と国際理解の手段としてスポーツの価値を強調した。
 コウノ前会長は「設立から30年たちバスケットボール以上の手ごたえを感じている。最も重要なことは、(日系の)子どもたちが自分たちの伝統や日本の文化を想像以上に受け入れてくれていることだ」と喜びを述べた。
 訪問プログラムはパンデミックの影響で、20年以降の渡航計画を断念せざるを得なかったが、今夏には現在活動するチームの「Yonsei27」そして「Yonsei26」の日本訪問を計画している。
 イカリ会長は「13歳前後は訪問に理想的な年齢で、子ども自身とその家族にも貴重な経験を提供することができる」とし「訪問体験で今まで知らなかった新しい自分を発見することもある。また、プログラムでの経験をきっかけに、日本語を勉強したり日本に移り住んだりする者もいる」と述べた。(マイケル・カルロス、写真も)

4世バスケットボール協議会に対する外務大臣表彰の伝達式に参加した関係者ら

Leave a comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です