先日「We Said No! No! A Story of Civil Disobedience」を近所の劇場まで見に行った。
 真珠湾攻撃で日米敵対の太平洋戦争勃発。その数カ月後、ルーズベルトによる大統領令9066号発令で、約12万人の日系米国人が強制的に収容所へ連行された。強制退去までたった48時間とも、6日間とも。許されたのは自ら手で持てるスーツケースもしくはカバン一つのみ。
 10カ所の強制収容所の一つである「反米的」で過酷なツールレイクの戦争分離センターで生じた市民抵抗紛争を、再現シーンを含めて描いたドキュメンタリー映画だ。実は、コロナ前に撮影された再現シーン制作で、自分も端役ながら出演の機会をいただいた。もし自分が当時移民していたら…他人事とは思えない思い入れ深い作品でもある。
 米国政府によって不条理な扱いを受けた日系人たちの悲しくつらい史実だ。敵国日本というだけで、米国生まれの市民(全体の約3分の2)であるにもかかわらず強制収容された特に日系2世たちの葛藤、彼らたちの間での意見の相違、不協和音…。
 日本から移民した1世は当時市民権を与えられなかった。1952年の移民法により、4万人以上の1世が初めてやっと市民権を得た。
 二つの祖国、母国、新たな母国…忠誠心を誓うのはどこ?
 忠誠心宣誓を証明するため米軍入隊希望した者…強制収容というひどい扱いを受けて、さらにそんな米国に忠誠心なんか誓えない(No!)、とハンガーストライキで反抗し続ける者。やるせない苦汁と不屈の精神を共感する。
 上映終了後、マンザナー強制収容所生まれのブライアン・T・マエダ監督がサプライズでQ&Aに登場。久しぶりに会ってあいさつできた。
 一緒に、見に行ったキューバ生まれでベネズエラ育ちの友達も一移民として、日系人の扱いに憤慨し米国政府を糾弾し、このような貴重な作品は、毎日でも上映・放送すべきだとコメントした。特に今の時代、米国の歴史の過去の汚点を抹殺しようとする政治家たちにぜひお薦めしたい。
 戦時中スペインが中立だったことも知った。学ぶべき教訓がたくさんある。戦争は誰もが心を痛め悲しみ不幸をもたらす…なぜ続けるのか?(長土居政史)

Leave a comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です