10月18日、3日間にわたる「第63回海外日系人大会」が無事に終わった。コロナ禍の3年間は一同が大会に集まることができず、オンラインの開催だった。今年は4年ぶりの対面開催となり、秋篠宮皇嗣殿下ご夫妻のご臨席で16日に幕を開け、ご祝辞、開会式、基調講演があり、夜は上川陽子・新外務大臣主催の歓迎レセプション、18日は衆参両院議長主催の歓迎昼食会で幕を閉じた。
海外日系人協会は、時間をかけて、日本の学校教科書にどれだけ日系人についての記述があるかを調べたり、各地の海外日系人社会の情報から変わりゆく日系社会の兆候を感知したり、今大会のメインテーマを検討したりと、準備を進めてきた。
3日間の発表やパネル・ディスカッションを通じて浮かび上がったのは、各国の日系社会では、コロナ禍でさまざまな行事やイベントが中止に追い込まれ収益源が縮小する中、若い世代が情報通信技術(ICT)を駆使して多様な工夫を凝らし、外部発信を続けて、対象を拡大していったことだ。その結果、今までの日系人の枠を超えて、日本の文化や食、アニメ、スポーツ選手のマナーなどに親近感を持ち、日系社会の行事に積極的に参加する人たちが増えつつある。
そのために、今回のテーマは「飛躍するニッケイ社会へ 期待される新世代のイニシアチブ」を掲げた。3日間の各地からの発表やパネル・ディスカッション、シンポジウムなどを通して、各地の取り組みの現状や今後の課題などが参加者に詳しく伝わり、共有されたと思う。協会としても意義ある大会だった。最後に「大会宣言」が発表され、採択された。これらは、これから協会が冊子を作り、各省庁・自治体・各地の日系社会などへ配ることになっている。
最終日の「日系人の主張」で、ロサンゼルスの「高齢者を守る会」を代表して医師の入江さん夫妻が「高齢化する日系社会における支援施設の建設の必要性」を訴えた。大会宣言は、初期日本人移住者が残した「教育重視」と「相互扶助」の精神の継承が大切だとし、「『子弟教育』と『高齢者対応』が今後の課題である」と明記された。
会の終了後、ロサンゼルスからの参加者が集まり懇談を行った。ロサンゼルスの高齢者施設建設は息の長い、継続した活動が必要となりそうだ。(若尾龍彦)
