ロサンゼルス地区にある県人会が後継者育成という課題に直面するようになってから、もうかなりたつ。羅府新報は20年ほど前「県人会を訪ねて」というシリーズを展開、一つずつ県人会を紹介したが、その中で多くの県人会が、役員の高齢化で世代交代が急務と訴えていた。
 その後、それぞれの県人会でいろいろな対策を講じてきており、確かに多くの県人会で、若い世代がそれまで県人会を引っ張ってきた人たちに代わって、会の運営に参画してきているようだ。そうした対策の中で効果を上げてきたものの一つが、若者を母県に送るというプログラムだったと思う。そうしたプログラムに参加して県人会への興味を抱き、活動に参加するようになったり、役員として運営の仲間入りをしたりする人も結構いる。
 ならば、そうしたプログラムをもっと徹底して、長期的に母県に滞在するような事業を検討してもいいのではないだろうか。県人会のこれまでの重要な役割である、米国での暮らしの援助や親睦を深めるという役割を越えて、もっと母県との関係を密にするような、いわば国際的な事業の展開である。幸い、われわれ米国に住む者にとって、現在の円安状況は、そうした事業の展開に利すること間違いない。
 多くの県では空洞化という状況の中、空家が目立っており、ある県には2階建て3万円という貸家もある。空家活用のための支援制度を採用している自治体もある。そうした制度を利用して家屋を借り、若者に長期的にそこに滞在してもらって、それぞれの自治体で展開している事業に参加してもらうというプログラムの展開は難しいだろうか。母県が自然災害の被害を受けていたら、実際に被災地に赴き、その場その場で必要に応じて援助の手を差し伸べる活動に参加することもできるだろう。あるいは、県人会のほうから何か新しいプロジェクトを母県に提案し、その具体化に携わることだって考えられる。
 世界的な国際化の時代にふさわしい新しい事業の展開で、これまで県人会にあまり関心がなかった人たちにも、興味を持ってもらえるようになるかもしれない。(長島幸和)

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