ブライアン山崎さん(右)による音頭で乾杯する参加者

 シニアのために活動する日系パイオニアセンター(青柳剛会長)がこのほど、モンテベロ市のクワイエットキャノンで新年親睦昼食会を開いた。新役員と理事の紹介、前会長のフミ・スタークさんに感謝の盾を贈るなどし、新年の門出を祝った。

フミ・スターク前会長(右)に感謝の盾を贈る青柳剛新会長

 昨年末に会長を引き継いだ新会長の青柳さんは「現在12のクラスを開講しているが、今後は娯楽や、米国で暮らしていくための知識や教養を身に付けるセミナーなども積極的に取り入れたい」と抱負を述べた。テクノロジーが進化し、野球観戦やテーマパークに行く時もチケットはペーパレスでスマホが必需品、薬の注文もオンラインでしかできない現代社会の一面を挙げ、「便利さの陰でどうしていいか分からない人たちがいる」と指摘。「日系コミュニティーの仲間内でサポートすることが必要では」と問題を提議した。
 前会長のスタークさんは「私はコロナ禍が落ち着き、2年半閉鎖していたパイオニアセンターの活動を再開するところから会長を引き継いだ。コロナ禍で会員数もクラス数も減ってしまっていたが、家に引きこもっているシニアの方々に、どのようにしたら楽しく生きがいのある生活を送っていただけるかを考えた。安心して学べるクラスルーム作りの改装や改良を行った。新しいクラスや閉鎖したクラスの再開にも力を注いだ。コンピューターに詳しい青柳新会長はこのプロジェクトを引き継ぐのに最適だ」とエールを送った。

 南加日系商工会議所会頭の竹花晴夫さんはスタークさんの前任として5年会長を務め、現在は同センターの顧問の座にある。登壇した竹花さんは、1969年10月に創設され今年で55年目を迎えるパイオニアセンターの歴史を紹介した。同センターが作られたのは戦後に強制収容所から戻ってきた若い日系人たちがシニア世代になった時代で、独り者や経済的に恵まれないことから行き場のなかった人たちのためにボランティアが発起人となった。2010年ごろまでは大変活発で、会員は多い時で800人、理事は40人に達したこともあるという。現在シニア集合住宅の小東京タワーズで行われている「高齢者昼食会」もパイオニアセンターのサービスとして始まったもので、また、リトル東京サービスセンター(LTSC)を作ったビル・ワタナベさんもパイオニアセンターの出身だと紹介した。

箏の粟谷陽子社中(左)とオーボエの小澤奈緒美さんのコラボレーション

 パイオニアセンターにはかつて福祉サービス部があった。福祉サービス部は日系シニアをケアすることを根本的な目的として、ソーシャルセキュリティーやメディケアに関するサービスをしたり、目が悪くなってきた人の手伝いをしたりしていた。一方、日系商工会議所には社会部があり、そこでも同様の活動を行っていたことから、40年ほど前に日系商工会議所の社会部がそのままパイオニアセンターに活動場所を移管したという歴史もあるという。
 竹花さんは「このように、パイオニアセンター創設時のミッションはシニア社会福祉サービスだった。営利を目的として教えることはもとより単なる文化教室になりつつあるとすれば、先人の趣旨に沿って軌道修正が必要だ」と警鐘を鳴らした。
 その後は南加庭園業連盟会長のブライアン山崎さんによる音頭で乾杯し、昼食と歓談を楽しんだ。

 今年の新年会では茶道裏千家インストラクター、グテレス宗結さんの社中による茶道デモンストレーションが行われた。会場の一角に茶席を設け、来賓らにお点前を披露しお茶とお菓子を振る舞い、新年の雰囲気を盛り上げた。
 エンターテインメントでは箏奏者の粟谷陽子さんとオーボエ奏者の小澤奈緒美さんが共演した。伝統和楽器の尺八の代わりとして洋楽器のオーボエが、箏と見事なハーモニーを奏でた。お正月らしい箏の名曲「春の海」で始まり、誰もが知っている日本の歌などを披露した。最後の曲は「故郷」で、「皆さんも一緒に歌ってください」というステージからの呼びかけに応えて、会場の全員が手元に配られた歌詞カードを見ながら「うさぎ追いしかの山…」と声を合わせて歌った。

茶道裏千家のデモンストレーションでお菓子を振る舞うグテレス宗結社中の弟子たち

 「高齢者には住みにくい世の中になり、取り残されている人たちがいる。手を差し伸べねば逃げ道がないと私自身が肌で感じている。1人で住んでいて孤独になりがちな人も多いので、話をしたり気軽に参加したりできるコミュニティーを作っていきたい。社会生活を営む中で、暮らしのサポートや手伝いをし、シニアの方々により楽しく暮らしてもらいたい」と青柳さんは思いを語った。
 パイオニアセンターは小東京の日米文化会館の3階にあり、会員制で写真、コンピューター、小笠原煎茶道、裏千家茶道、絵手紙、生け花、着付け、椅子体操、民舞のクラスを開講している。
 ▽パイオニアセンターのクラスと日時、講師は次の通り。(敬称略)
・刺し子 月曜(第2・第4)午前10時〜正午 レイコ・ソンデー
・写真教室 月曜(第2・第4)午後1時半〜3時 岡田信行

親睦会の会場でシニア椅子体操クラスを紹介するインストラクターの吉田まちこさん(左)

・パソコンとiPhone(中級) 火曜午前9時半〜11時半、午後1時〜2時 佐藤晃
・パソコン(初級)水曜(第2・第4)午前10時〜正午 青柳剛
・裏千家流ワークショップ(和敬クラス) 水曜(第2)午後1時〜2時 グテレス宗結
・裏千家流ワークショップ(静寂クラス) 水曜(第3) 午後1時〜2時 グテレス宗結
・煎茶道(小笠原流) 金曜(第2・第4)午前9時半〜11時半 山本秀教
・絵手紙 金曜(第1)午前10時15分〜11時半 森田のりえ
・シニア椅子体操 金曜(第1)正午〜午後1時 吉田まちこ
・民舞(豊春会) 土曜(毎週)正午〜午後2時 橋本リサ
・着付け教室 土曜(第1・第3)午前9時〜正午 川田和子
・池坊生け花 土曜(第2・第4)、日曜(第4)午後2時〜5時 南谷泉芳
 電話213・680・1656。問い合わせはメール—
 main@jcpioneercenter.org
(長井智子、写真も)

日系パイオニアセンターの今年度の役員。前列左から3人目が青柳剛新会長

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