米国では来年1月、トランプ政権の誕生に伴い、経済政策や不法移民対策、軍事支援、外交などで現バイデン政権からのさまざまな変化が生じると予測されている。
新政権への移行を前に、移民が経済を支える当地ロサンゼルスの市議会では先月、連邦が移民の取り締まりに市のリソースを利用したり職員を任用することを禁じる「移民の聖域都市」条例が可決された。また、カリフォルニア州議会は今月、移民・中絶権・気候変動などにおける州の独自政策をトランプ政権から守るために特別議会を招集。ニューサム知事は、今後予測される連邦政府との法廷論争に備える構えを見せている。
トランプ次期大統領は、最大の貿易相手国であるメキシコからの輸入品に25%の関税を課すと宣言しているが、これにより大きな影響を受けるのは隣接するカリフォルニア州だ。サンディエゴの商工会議所によると、毎日少なくとも6万人が国境を越えて出勤しているといい、メキシコ側とサンディエゴの経済がお互い支え合っていることが分かる。
身近なことでは、新政権になり移民への待遇が厳しくなるかもしれないという懸念がある。カリフォルニア州で留学生の数が最多の南カリフォルニア大学はこのほど、冬休みで母国に帰るF―1およびJ―1ビザの留学生らに対し、トランプ大統領の就任式が行われる1月20日よりも前に米国へ戻るよう勧告した。これは、就任式以降に入国を拒否される恐れがあるためで、前回の大統領就任時、最初の週にイスラム教徒の多い国に厳しい渡航制限を設ける大統領令に署名した経緯を踏まえた対策だ。大学側は留学生に対し、重要な渡航書類を携帯し、最新の書類で再入国するようアドバイスしている。
カリフォルニア州は、移民保護や中絶権擁護で独自の政策を実施し、2035年までの100%電気自動車化を目指している。同州の民主党支持者らにとっては気がかりな年明けとなるのではないかと思われるが、インフレからの早期回復や治安改善を願いつつ、人命や権利、自由が脅かされることのない社会の発展を見守りたい。(平野真紀)

