わが人生、波乱万丈。長年生きてきたが、今でも日々思いがけないことが起こる。人生はシナリオのないドラマとは言い得て妙だ。つい先日も、こんなことがあった。今年6年目になるブルックリンSciFi映画祭でご自身の短編映画が上映された映画監督が来米した。上映会の後、話をすれば、同郷の名古屋出身だと言う。意気投合し、翌日の夜、ジャズライブを見に行くことにした。
夜が明けた午前10時半、ボストンに引っ越したばかりの別の名古屋の友人から「時間がある時に話がしたい」、その2時間後、「今日ニューヨークに行けば会えるか」、というメッセージが届く。半信半疑ながらも「もちろん」、と答えると、その4時間後には、「今、NYに向かっているので、20時半に食事しませんか」と届いたテキストを見て目を丸くする。ボストンからだと200マイル以上あるし、4時間はかかる道のりだ。カジュアルに食事するとしても、さすがにゲストの監督とライブを見る予定があるし、正直何時に解散できるか分からない。
なるようにしかならないと思いつつも、監督と老舗の店で最高のジャズライブを満喫。ボストンの友人はどうしているのかと思いつつ、会場の裏口を出たのだが、なんと、彼が車を横付けにして待っているではないか。もう1人の名古屋の友達と、下宿している中国人の方まで連れてきていた。同郷とは言え、監督を放って食事にも行けないので、正面口で待っている監督に恐る恐る、状況を伝えると、同郷だからか、夕食の誘いを快諾してくれた。
ホッとしながら、監督が希望するリトルイタリーへ場所を変え、イタリアンレストランで同郷人の会食となった。初対面ながら、同年代ということも手伝って、皆すぐ打ち解け、地元の話から女性観まで熱く語り合い盛り上がったが、閉店でタイムオーバー。
翌朝帰国の監督が、新しい友達にNYでの予定を聞くと、今回の目的は僕に会うことなので、すぐにボストンへ帰ると言う。僕の予定も聞かず、4時間かけてきて、会ったら、4時間かけて帰る破天荒な友人たち。これはうそでもうれしい。(河野 洋)

