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知っておきたい19世紀以降の日系米国人と米国在住・拠点とする日本人芸術家(3)

 インターネットや携帯電話が普及し時差の無い情報が得られる時代となり、特に90年代を境にコンピューターが普及してからの芸術表現はますます多様化している。世界が「グローバル社会へ」というスローガンを掲げ、社会も進化する一方で、自然災害や気候変動、世界各地で続く紛争そして蔓延する格差など多くの問題を抱えている。この新型コロナ感染症のパンデミックも然り。変わり行く時代のなかでアートの在り方も著しく変化しているが、答えのない不確かな時代にこそアートの力が求められている。今から80年前に日系人強制収容所では自由を奪われた多くの作家がアートによって生きる力と希望を得て生き抜いてきた。残された作品は現代にも受け継がれている。国籍や性別、宗教や人種を超えた自由な社会に向けてアートの思念は続く。ここでは米国、主にニューヨークを舞台に活躍している一部のアーティストを紹介するが、国際的に活動する注目すべき若手作家たちの存在も加筆しておきたい。時代を追って3回で掲載するシリーズの最終回。