自宅からオンラインを使ったセミナー参加者
 Keiroが20日、シニアがネットやお店で安全に買い物をする方法について、日本語でセミナーを開催した。シニアの生活を支援する同団体は、オンラインにシフトして情報発信をを続けており、会議アプリのZOOMを利用した視聴者参加型のオンラインセミナー各種を開催している。

 講師を務めたのはKeiroのコミュニケーションズ・マネージャーの青山裕美さん。それぞれの自宅から画面上に集った参加者に向けて、「ぜひ、今までやっていたことを、もう一度おさらいしましょう」と、参加者に語りかけた。
 1、スーパーマーケットでの買い物
 ▽今、行くべきかを考える
 州や市によってはまだ外出の規制が続いているところもあるが、食料品はこれまでも買いに出ることができた。最近は、一般小売店の営業規制も徐々にゆるくなってきているが、行く前に、「今、本当に行くべきか」「オンラインなどを利用できないか」などを考えてみることは良いことである。行く場合も、混んだ時間帯を避けるのが得策。多くのスーパーが早朝のシニア時間帯を設けているので、利用するとよい。シニア優先時間の情報はKeiroのウェブサイトにリストがある。
 www.keiro.org/japanese/senior-store-hours
 ▽外出は準備万端で
 出掛けることに決めたら準備をする。特に買い物リストは大切。店内で無駄な滞在時間を過ごすことを防げる。リストはスーパーのセクションごとにまとめておけばさらに効率的だ。むちゃな大量購入はするべきではないが、すぐに戻って来なくてもいいように、1〜3週間分のストックをめどに買い物をするとよい。
 マスクは忘れずに。除菌シートや消毒液は、最近は店頭で置かれていることが多いが、念のためにと思う場合は持っていく。
 公衆衛生局のガイドラインでは手袋の着用は必須ではないので、スーパーの買い物には必ずしも必要ではない。

シニアに分かりやすく作成されたKeiroの教材
 青山さんは、「でも、ガソリンスタンドのポンプを触るときなどのために、手袋を用意するのはよい考えかもしれない。私は、ポンプを持つ片手だけにはめて、給油が終わったらその場で捨てている」と、自身の例を紹介した。スーパーのショッピングカートのハンドルは1回ごとに消毒されているが、ガソリンスタンドは1時間ごと、といった状況が多いので、念のために心配な人は手袋持参がよいだろう。
 お店では買うものだけに触れる、ソーシャルディスタンスを保つ、マスクや顔を手でやたらに触らない、現金よりも電子決済をする。
 ▽自宅に戻ったら
 自宅に戻ったらまず手洗い。購入品をしまったら、また手洗い。手洗いは大切である。
 最近は新型コロナウイルスの研究が進み、当初考えられていたよりも食品からの感染率は低いといわれる。一般的な注意だが、食品衛生のガイドラインを復習しよう。例えば、肉を切ったまな板でそのままフルーツを切らない、などの基本に立ち返ろう。食品の取り扱いについては、FDAのガイド(英語)がある。
 www.fda.gov/media/91319/download
2、オンラインでの買い物
 「インスタカート」「ポスタメーツ」は食料品や日用品を届けるサービス。この分野ではコスコやその他の量販店も、独自でデリバリーサービスをしている。「グラブハブ」「ドアダッシュ」「ウーバーイーツ」。これらはレストランの料理を届けるサービス。目新しいのは「ブルーエプロン」で、毎日の二人分の食事を宅配するというものだ。
 便利だが、これらの新しいビジネスのマイナス点には、手数料や、配達遅延が発生しがちなことが挙げられる。時には店側からキャンセルされてしまうこともあるという。
 青山さんが体験した例では、5ドルほどの少額オーダーで、一度は注文が受け付けられたものの、店側が配達人を見つけられずに断られてしまった。ドアダッシュやウーバーイーツは、配達を請け負うサービスなので、店側も利用しきれていない一面があるようだ。
 こんな「がっかり」を避けるには、サービスに慣れている、定評のある店を利用するのも一案。独自で「出前」をしている店を利用する方法もある。
 このようなオンラインサービスでは、どうしてもアカウントを作らねばならないので、個人データを守る方法は気になるところ。パスワードには誕生日や個人が特定されるような内容を避けるのが、基本である。
 3、詐欺から身を守ろう
 セミナーの最後に、コロナ禍を利用した詐欺やかたりに注意しようと呼び掛けた。
 ワクチン、治療、募金を装った詐欺があり、良くあるフィッシュングの手口は、時間がないと急かし、金銭を振り込まそうとするもの。寄付を募る電話がかかってきても、サイトの場所を聞くなどし、安易に電話で支払いカード情報を渡さない。怪しいEメールが送られてきたら、リンクをクリックしないように。
 セミナーのまとめ
 一、こまめに手を洗う
 一、うっかり自分の顔に触れない
 一、他人との接触を減らす
 一、できる限り外出を控える
 一、最後に大切なのは、人とのつながり。情報は積極的に交換し合おう
 青山さんは「ウェビナーは新しい取り組みなので、どのようにすれば皆さんにとって知りたい情報をわかりやすくお伝えできるかを模索しているところ」と言う。これまでのウェビナーへのフィードバックを生かして改善を続けている。
 6月は以下の日本語プログラムを予定している。時間はいずれも午後2時半から3時まで。
 5日(金)目指せZoomマスター! Zoomビデオ電話を使いこなす
 12日(金)COVID・19と新しい生活習慣について考える
 26日(金)長期介護(Long term care)の選択肢について
 また、引き続き日本語でコロナウイルスに関連する情報を発信し、週に1、2回程度更新するとしているほか、6月20日にはソーシャルワーカーを招いて介護フォーラムもオンラインにて実施する予定。
 セミナーの予定や申し込みはウェブサイト―
 www.keiro.org/virtual-keiro-forums
 新型コロナの情報は―
 www.keiro.org/jp/fact-sheet/coronavirus-jp
【長井智子】

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