箏の調べに合わせて花を生ける(左から)グンワーデナ玉山さん(草月流)、南谷泉芳さん(池坊)、中村寿蓉さん(草月流)、ルー・ユーメイさん(池坊)、大波まゆみさん(小原流)
新年のあいさつに立つポーター五月会長

 各流派の生け花指導者が共に活動するいけばな教授会が1月15日、トーレンスの都ハイブリッドホテルで新年昼食会を催した。池坊、草月流、小原流の教授や顧問、来賓らが集まり、新型コロナウイルスの影響による休止を乗り越えて実現した仲間との再会を楽しんだ。

 今年の新年会を「コロナからの生還を祝うパーティー」と呼ぶ会長のポーター五月さんは、オンライン授業ができにくい「いけばな」の指導者にとって、コロナ禍は特に悲惨な3年だったと振り返り、再び人が集まって活動できる日が来たことを心から喜んだ。コロナ禍中で前会長の柿本正子さんから会長職を引き継いだ経緯に触れ、「昨年はあまり活動ができなかったが、任期2年目の今年はイベントなどにもっと活動を広げたい」と意欲を示した。日本に永久帰国した前会長の柿本さんは録音メッセージであいさつし、「これからも日本文化の美しさを広めてほしい」と教授陣を激励した。

植物の講習を行う草月流の北島蓉幸さん。多肉植物の魅力について解説した

 新年会の恒例としてこれまでも行われてきた、箏の調べに合わせて花を生ける「華道奏」も復活した。池坊の南谷泉芳さんとルー・ユーメイさん、小原流の大波まゆみさん、草月流の中村寿蓉さんとグンワーデナ玉山さんの5人が壇上で、鯨岡牧鳳さんの箏演奏の下で優雅に花を生けた。高い技術で美しい作品が形づくられていく様子が観客の目を楽しませた。作品を完成させると5人は花材やデザインに託した新年の象徴や、表現の工夫について解説した。異なる流派の特徴を出しながら創作されたそれぞれの作品はどれも美しく、華道の素晴らしさを伝えた。

 ジャパンハウスロサンゼルス館長の海部優子さんが乾杯の音頭を取り、昼食のテーブルでは再会を楽しむ会話が弾んだ。
 講習では草月流の北島蓉幸さんが、肉厚な葉や茎を持ち乾燥に強く、姿、形、色もさまざまな多肉植物(サキュレント)の魅力について解説した。花材としてセンターピースなどにも最適だと説明し、寄せ植えの方法などを指導した。
 いけばな教授会は今年も、8月の二世週祭で各派合同のいけばな展を開催する。(長井智子、写真も)

いけばな教授会の新年会の参加者。前列右から2人目がポーター五月会長

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1 Comment

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  1. 矢張りカラー写真が素敵ですね、
    羅府新報を講読していますが、新聞は白黒の写真でした。