任務を全うすることを誓う南加県人会協議会の今年度の新役員

 南カリフォルニアで活動する39の県人会が加盟する南加県人会協議会はこのほど、モンテベロのクワイエットキャノンで役員就任式と新年親睦会を開催した。各県人会のメンバーや日系諸団体の代表者ら約120人が集い新年を盛大に祝した。宣誓式では同会初の女性会長となる北垣戸(きたがいと)和恵さんをはじめとする役員諸氏が弁護士のシェフィールド・チェイニー氏の先導により宣誓を行った。

就任のあいさつに立つ北垣戸会長

 来賓の中から南加庭園業連盟の岩下寿盛会長、南加日系商工会議所の竹花晴夫会頭、カリフォルニア州議会アル・ムラツチ下院議員、在ロサンゼルス日本総領事の曽根健孝総領事が祝辞を贈った。
 2年の任期を終えたリチャード渡辺さんから会長を引き継いだ北垣戸さんは就任のあいさつで「58年続いた男性会長から初の女性会長になり責任の重さを痛感している。諸先輩が大切に引き継いできた協議会の歴史を次につなげていく責任を感じるが、多くの先輩から『力になるから頑張りなさい』と支援をいただいたことが心強い」と語り、「めまぐるしく変わる環境の中でも変化に対応し、『意思のあるところには道は開ける』をモットーに、一丸となって知恵を出して、前に進めたい」と就任の決意を結び、拍手喝采を浴びた。
 県人会協議会の創設は1964年。かつては昔ながらの男性優位社会を反映して、協議会の運営も男性が主体だったという。女性は役員どころか会員にも少なく、会議に出ても「女性はお茶くみを」という時代があったというが、「その体制はここ10年で大きく様変わりした」と、事務局長で顧問の水谷ハッピーさんは言う。現在は協議会の副会長10人中6人が女性。「そして今回、待望の女性会長が誕生した」と初の女性就任の意義を強調した。

県人会協議会の発展を祈念し乾杯する参加者

 また県人会を見ると加盟39のうち、会長または代表を女性が務める県人会は15あるといい、これからますます女性の活躍が期待される。
 その中の1人で、栃木県人会で2006年から長く会長を務める佐藤芳江さんは「私の性格もあるかもしれないが、私の就任当時は自信もなくリーダーは難しいと感じることもあった。北垣戸さんは協議会初の女性会長、皆さんを引っ張って、ぜひがんばってほしい。応援したい」とエールを送った。

曽根総領事(右)と「居酒屋」をデュエットする北垣戸会長

 親睦会では毎年、加盟県人会がそれぞれの都道府県の自慢や特長を紹介するという恒例の余興があるが、今年は「お国言葉で愛の告白」というお題で、各会の代表者がステージに上がった。故郷の方言や県民性をも織り交ぜながら、照れた様子で「愛の言葉」を発表する姿には随所から笑い声が上がり、会場は楽しい雰囲気に包まれた。また、余興の一部で曽根総領事が「カリフォルニア・コネクション」(水谷豊)を歌うというサプライズもあった。さらに北垣戸会長と曽根総領事がデュエットを披露する一幕では会場が大いに湧いた。太鼓の勇壮な演奏も新しい年を盛り上げた。

岐阜弁で愛の告白を行う岐阜県人会の樋田会長

 県人会同士の親睦と日本文化の継承を目的に活動する県人会協議会は、コロナ禍以前の例年は主な活動として、ロサンゼルス七夕祭りを二世週祭、七夕まつり実行委員会と共催するほか、日本の伝統芸能や文化を学ぶ日系子弟を支援する育英奨学金制度およびその授与式と演芸会、ゴルフ大会、ボウリング大会などを行ってきた。今年は、6月9日(金)にカリフォルニアカントリークラブでチャリティーゴルフ大会、10月8日(日)に小東京のアラタニ劇場で演芸会を開催することが決まっている。今年に入り千葉県人会が加わり、加盟数は39になった。来年は60周年を迎える。
(長井智子、写真も)

盛り上がった「お国言葉で愛の告白」

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