Posted in磁針

赤い魔法のお薬

 パンデミックのおかげで時計が止まってしまった。そんな気がしてならない。曜日の感覚がなくなってきた。  時が停止している中、子供の頃の思い出がよみがえってくる。道で転んで、泣きながら家に帰ると、母が傷口に塗ってくれた「赤い魔法のお薬」のことを思い出す。「ちちんぷいぷい、痛いの痛いの、飛んでけ」。